今週は取材でイギリスのロンドンに来ています。今回は、現地で調達したプリペイドSIMカードを、デュアルSIMスマートフォンに装着してその使い勝手などを見ていきます。

 SIMカードを用意したら、装着して「設定」 ⇒ 「SIM管理」を開きます。SIMカードが2枚装着されていれば、上部に表示があるはずです。まずは、「国内モード」オフにします。そうすると、2枚のSIMを同時にオンにすることが可能です。この状態では、2つのSIMで待ち受けが可能になります。

 ただし、片方はGSMのネットワークにしか接続できません。この状態を「デュアルスタンバイ(Dual Stand-by)」といいます。デュアルSIM構成の端末で「DSDS」と表記されるのは、この状態が可能なものをいいます。DSDSは「Dual SIM Dual Stand-by」の略です。両方のSIMで待ち受けができず、どちらか一方のSIMだけを待ち受け状態にするものは「DSSS(Dual SIM Single Stand-by)」といいます。古いタイプのデュアルSIM機や最近のものでも安価なものにこうした製品があります。というわけで、もし海外でデュアルSIMの端末を購入する場合には注意したほうがいいでしょう。

 さて、話を戻します。2つのSIMが有効になりましたが、着信や発信、あるいはデータ通信は、どちらか一方のSIMでしか行えません。priori2では、そのために音声通話、ビデオ通話、SMS、データ通信の4つの項目に関して、どちらのSIMを優先するか、そのたびに選択するかを設定する項目があります。これを設定しておくと、2つのSIMをうまく使い分けることが可能です。筆者は、日本の電話番号であるNTTドコモのSIMで音声通話の着信のみが可能になればいいので、メッセージ(SMS)以外は、現地で入手したプリペイドSIM側に割り当てました。

 こうした使い方が可能なのは、海外だと、GSM方式が2Gとしてまだ残っていて、日本のSIMをローミングで使う場合にこの2Gのネットワークが利用できるからです。

「設定」にある「SIM管理」で「国内モード」をオフにすると、2つのSIMを同時に有効に設定できるようになる。また、通知領域にはアンテナアイコンが2つ表示されるようになる
「設定」にある「SIM管理」で「国内モード」をオフにすると、2つのSIMを同時に有効に設定できるようになる。また、通知領域にはアンテナアイコンが2つ表示されるようになる
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音声通話(ボイスコール)、テレビ電話(ビデオコール)、SMS(メッセージ)、データ通信の4項目に関しては、どちらのSIMを使うか、あるいは毎回指定するかを設定できる。
音声通話(ボイスコール)、テレビ電話(ビデオコール)、SMS(メッセージ)、データ通信の4項目に関しては、どちらのSIMを使うか、あるいは毎回指定するかを設定できる。
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 複数のSIMを同時に利用できるようにすると、画面上の通知領域には、アンテナアイコンが2つ並び、通信方式などを表示するようになります。また、多くのアプリケーションや設定ではSIMを選んで設定や操作を行うことができるようになります。たとえば、「設定」 ⇒ 「モバイルネットワーク」 ⇒ 「アクセスポイント」の設定もSIMごとに行います。