4.99ドルで入手したT-MobileのSIMスターターキット。
4.99ドルで入手したT-MobileのSIMスターターキット。
[画像のクリックで拡大表示]

 海外で通信手段をどう確保するかは、モバイルの「永遠」の問題といってもいいかもしれません。通信は、国家が管理するものなので、基本的には、国や地域で事情が違うのが当たり前、基本的には同じブランドでも、契約は国別といった形になることが少なくありません。

 技術的には、携帯電話では「ローミング」という形で、自分の契約を他の事業者のサービスエリアで利用できますが、自国内の価格に比べて高くなるのが普通です(たとえ行った地域の携帯電話料金が安くても)。最近では、ソフトバンクの「アメリカ放題」やドコモの「海外1Dayパケ」といったサービスも出てきていますが、条件が面倒です。アメリカ放題ではスプリントのネットワークに接続したときのみ。海外1Dayパケも指定された事業者のネットワークのみ対応なのです。さらに国内でMVNOに比べて高い料金プランを契約している必要があります。

 年に一回といった程度で、あまり使用頻度が高くなく、メールなどデータ通信はホテルでのみ使用、さらに日本からの着信だけが必要といった場合には、それほどムキになって海外の通信サービスを利用する必要はありません。一方で年に何度か、仕事で海外に行く必要がある場合などは、常にメールなどの連絡手段が必要で、できれば低コストで済ませたいと思うでしょう。

 そういうわけで、行き先地域の事業者のプリペイドサービスなどを使う方法がコストを押さえる唯一の方法といえます。米国の場合、最近まで、海外発行のクレジットカードでの支払いが不可能だったのですが、最近ではAT&TやT-Mobileといった大手事業者では、日本のクレジットカードで支払いが可能になりました。このため、契約が維持しやすく、安価なサービスを見つければ、海外に到着した瞬間からデータ通信などが可能になります。

 そんななか、今回、筆者は米国でT-Mobileのプリペイドサービスを試してみました。最大の特徴は月3ドル(1ドル120円換算で360円)という基本料金で30分の無料通話が可能なこと、必要に応じてデータ通信が可能になることです。