Windowsタブレット用のペンにいま注目が集まる。マイクロソフトのSurface Pro2はワコム(写真上)、ソニーのVAIO Duo 13はイスラエルN-Trigのペン(写真下)を採用した。
Windowsタブレット用のペンにいま注目が集まる。マイクロソフトのSurface Pro2はワコム(写真上)、ソニーのVAIO Duo 13はイスラエルN-Trigのペン(写真下)を採用した。
[画像のクリックで拡大表示]

 マイクロソフトがイスラエルのデジタルペンメーカーであるN-Trigを買収するというウワサが出ています。真偽の程はわかりませんが、ここ何年かのモバイル領域での各社の活動を見ていると、あり得ないことではないように思われます。逆に、だから、たいした根拠もなくウワサが出るのかもしれません。

 入力機器であるデジタイザー(ペンにより図形などの入力を行う装置)は、いくつかのメーカーがありますが、そのうちモバイル分野で注目されているのは、液晶ディスプレイと一体化できるものです。また、かつては、ペンと本体を接続するケーブルが必要な製品もありましたが、現在では、ペン側はワイヤレスのものが主流です。N-Trigは、液晶と一体となるワイヤレスのペンを開発する企業の1社です。

 同様の技術を持つ企業に日本のワコムがあります。ワコムとN-Trigの技術は別のもので、ワコムは電磁波を使ってペンの位置を検出するのに対して、N-Trigは、静電容量を使ってペンの位置を検出するようです。

 現状、ペン付きのPCでは、ワコムかN-Trigのどちらかを使うものがほとんどのようです。最近の製品としては、マイクロソフトのSurface Pro3や旧ソニーのVAIO Duo 13などがN-Trigを採用しています。また、前回紹介したASUSのVivotab Note8やマイクロソフトのSurface Pro/Pro2はワコムの技術を使っています。

 技術的には、ワコムの電磁波を使うものは高精度でお絵かきに向いているといわれていて、ペンに電池が不要なため、本体に内蔵できるような細く短いペンの開発も容易なようです。これに対して、N-Trigのものは、タッチパネルと部品を共有するため、コストが安いのが特徴ですが、ペンに電池が必要なため、その分の容積が必要でペンを細く短くするのには限界があるようです。