Windows 10 テクニカルプレビューのデスクトップ。背景が、なぜか「雪景色」である。
Windows 10 テクニカルプレビューのデスクトップ。背景が、なぜか「雪景色」である。
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 先週、米マイクロソフトがWindows 10の概要を発表しました。その中で、Windows Phoneの次世代についても触れています。国内では、過去に1機種だけ販売されたWindows Phoneですが、最近のSIMフリー機の流行などを考えると、今後、国内でも販売される可能性がないわけでもありません。そういうわけで、今回は、Windows Phoneがどうなるのかを見ていくことにします。

 Windows Phoneは、7.x系と8.x系の2つがあります。両者は、オペレーティングシステムとしての構成から違います。Windows Phone 8.xでは、PCのWindowsと同じカーネル(NTカーネルと呼ばれている)が採用され、PCとはCPUなど、ハードウエアが違うものの、構造的には近いものになっています。ただし、Windows Phone 8.x系は、過去の7.x系のアプリが動作するようになっていること、画面解像度の違いと、APIセットの違いがあります。このため、Windows 8.1とWindows Phone 8.1はあくまでも違うオペレーティングシステムといえます。

 また、これとは別にPCのWindowsと同じ構造を持ちながらプロセッサがARM系のWindows RTがあります。こちらは、Windows 8.0と同時に発表され、マイクロソフト以外のメーカーからも製品が出荷されました。こちらも現在の最新バージョンは、8.1update相当になっています。しかし、マイクロソフトもWindows RT版のSurfaceは、2世代で止まっていて、x64版のように3世代目は出ていません。

 今回の発表では、Windows Phone 8.1の後継は、Windows 10になりました。正式名称かどうかは分かりませんが、発表時には、これを「Windows 10 Phone and Tablet」と呼んでいました。なので、本記事でも、これをそう呼ぶことにしたいのですが、ちょっと長いので、「Windows 10 PAT」(あるいはPAT)と略すことにします。