テレビ世代であるわが家は、長年にわたりケーブルテレビの多チャンネル、インターネット接続、そして固定電話のいわゆるトリプルプレイ・ユーザーである。だが、高速のネット回線さえあれば、オンデマンドで無数のテレビ番組や映画等が視聴可能で、しかも、ネットでの通話も、ほぼ無料となりつつある今、果たしてケーブルテレビは生き残ることができるのだろうか。

 ケーブルテレビの統括運営会社の最大手であるJ:COM(株式会社 ジュピターテレコム)が、スマートテレビの核となる独自開発の新しいセットトップボックス(STB)「Smart J:COM Box」を提供し始めたのは2014年2月のことである。

 それから約1年が経過した2015年3月現在、J:COMのスマートテレビは、放送と通信の融合という意味で、とても魅力的なサービスになっている。STBは3つのチューナーを備え、1番組を視聴中でも2番組を同時録画でき、しかも2TBのハードディスクを本体に備えて、外付けハードディスクも接続できる。それだけではない。スマホやタブレットにアプリをダウンロードすれば、無線LANを介して家中どこでも放送中の番組や録画した番組が視聴できる。もちろん、番組の検索や録画予約もタブレットでできる。スマホをネットにつなげば、外出先でも放送中の番組や映画等をオンデマンドで楽しめる(図1)。

図1 J:COMスマートテレビ(出所:<a href="http://smart.jcom.co.jp/" target="_blank">http://smart.jcom.co.jp/</a>)。
図1 J:COMスマートテレビ(出所:http://smart.jcom.co.jp/)。
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 こんな魅力的なサービスなので、提供が開始された時点ですぐに飛びつきたくなったのだけれど、その評判をネットで検索してみると、ユーザーからのコメントはどうにも芳しくない。そんなわけで、しばらく様子を見ればSTBやアプリの改善がなされるだろうと、1年ほどの時間を空けてからJ:COMの新しいトリプルプレイを試してみることにした。