米インテルなど半導体メーカーや米シスコシステムズなどIT企業は、Internet of Things(モノのインターネット、以下IoT)が今後のIT市場をけん引するキーワードになると予想している。IoTとは、家電や住宅の設備、車や交通インフラ、産業や流通の現場で使用される機器や管理用のセンサーなど、あらゆるモノが通信機能を持ち、自律的にインターネットに接続して情報をやり取りするという概念(図1)。それらのデータをクラウド上に集約して管理するという新たなサービスを創出しようというわけだ。シスコシステムズは2020年までにIoTに接続される機器は、控えめに見積もって500億台になると予測している。
IoTで主力となる小型機器には、これまで低消費電力という優位性を持つ米アームのCPUが使われることが多かった。拡大するIoT市場を狙うインテルは、小型で低消費電力のCPU「Quark」を開発した。Quarkは、1990年代に投入したPentium相当の性能を持つ。1月にはQuarkを搭載した小型のコンピューター「Edison」も発表している(図2)。