米インテルなど半導体メーカーや米シスコシステムズなどIT企業は、Internet of Things(モノのインターネット、以下IoT)が今後のIT市場をけん引するキーワードになると予想している。IoTとは、家電や住宅の設備、車や交通インフラ、産業や流通の現場で使用される機器や管理用のセンサーなど、あらゆるモノが通信機能を持ち、自律的にインターネットに接続して情報をやり取りするという概念(図1)。それらのデータをクラウド上に集約して管理するという新たなサービスを創出しようというわけだ。シスコシステムズは2020年までにIoTに接続される機器は、控えめに見積もって500億台になると予測している。

●家庭から産業界まであらゆるものをネットでつなぐ
図1 家庭の製品から流通や産業の現場まで、あらゆるものをネットで接続するIoT(Internet of Things)という概念がIT業界で次の大きな市場を生み出すキーワードとして注目を集めている
図1 家庭の製品から流通や産業の現場まで、あらゆるものをネットで接続するIoT(Internet of Things)という概念がIT業界で次の大きな市場を生み出すキーワードとして注目を集めている
[画像のクリックで拡大表示]

 IoTで主力となる小型機器には、これまで低消費電力という優位性を持つ米アームのCPUが使われることが多かった。拡大するIoT市場を狙うインテルは、小型で低消費電力のCPU「Quark」を開発した。Quarkは、1990年代に投入したPentium相当の性能を持つ。1月にはQuarkを搭載した小型のコンピューター「Edison」も発表している(図2)。

●小型のコンピューターやネット家電が登場
図2 インテルが発表したSDメモリーカード形状の小型コンピューター「Edison」。2014年夏に出荷を予定する。小型CPU「Quark」のほか無線LANやBluetoothの機能を備える
図2 インテルが発表したSDメモリーカード形状の小型コンピューター「Edison」。2014年夏に出荷を予定する。小型CPU「Quark」のほか無線LANやBluetoothの機能を備える
[画像のクリックで拡大表示]