PCオーディオの魅力を探るこの連載。最終回は、PCオーディオをもっと便利にしてくれる各種周辺アクセサリーについて、製品選びのツボを紹介する。

PCオーディオライフを豊かに彩るスピーカー

 最初は、PCオーディオをデスクトップで手軽に楽しめるお手ごろなスピーカー選びから。

 PCオーディオでも、またCDやレコードといった物理的なメディアを再生する従来のオーディオシステムでも、実際に音を伝える最終的な出口となるのがスピーカーだ。古今東西、非常に数が多く、製品によって個性があり、もっと分かりやすくいえば音質が違う。音質差は数値化できないため、選び方が難しい機器だ。ここではスピーカー選びにおける、ごく基本的なことを紹介していこう。

アンプ内蔵スピーカーなら、予算面でも設置スペースの面にも、手軽にPCオーディオシステムが組める。1万円を超える製品になれば、なりは小さくとも音質は本格的だ(写真は、クリプトンのUSB DAC内蔵アクティブスピーカー「KS-1HQM」を組み合わせた例)。
アンプ内蔵スピーカーなら、予算面でも設置スペースの面にも、手軽にPCオーディオシステムが組める。1万円を超える製品になれば、なりは小さくとも音質は本格的だ(写真は、クリプトンのUSB DAC内蔵アクティブスピーカー「KS-1HQM」を組み合わせた例)。
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 まずはアンプを内蔵しているかどうか。音声信号はそのままでは微弱すぎてスピーカーを鳴らせないため、アンプで増幅しなくてはならない。パソコンやUSB DACはアンプ機能を備えていないので、パソコンにつないで鳴らす外部スピーカーは、アンプを内蔵している必要がある。これらは「アクティブスピーカー」とも呼ばれる。シンプルな構成で手軽にPCオーディオの音質を向上させたいなら、上質なアクティブスピーカーを選ぼう。1万円を超えるクラスなら、パソコンに付属のものとは別世界の音質になる。

 DACを搭載し、デジタルオーディオ信号を入力できるアクティブスピーカーもある。スピーカー側でアナログ変換するため、パソコンのノイズから悪影響を受けづらい。最近はデジタル出力を備えているパソコンも多く、USB DACは後回しにして安価に音質を向上させるにはこのタイプも有効だ。USB DAC機能を備えた、USB接続が可能なスピーカーもある。どちらもアンプが不要でシンプルにシステムを構成できるため、予算的、設置環境的にも手軽なのがポイントだ。