デジタルミュージックの世界が今、PCオーディオの登場で新たな地平を迎えようとしている。これまでの圧倒的な操作性、利便性に加えて、音質面での改善も大きく、パソコンさえあれば手軽にその効果を実感できるのだ。早速、その魅力に迫ってみよう。

 オーディオの目的は「音楽から感動を得る」ことだ。アーティストが心を込めた演奏を忠実度が高くて情報量が多く、感情の微妙なアヤまでこと細かに再生してくれるオーディオシステムで聴くなら、感動は何倍にも膨れ上がるだろう。

 そのための最新の、そして最強のシステムがPCオーディオだ。オーディオの歴史は1950年代のLPレコードの誕生から始まる。レコードプレーヤーが登場し、次に82年にCD(コンパクトディスク)が発売され、CDプレーヤーの時代になった。CDは今までも、またこれからも生き延びるが、このCDを超える音質とメディア性を熱く期待されているのが、PCオーディオなのである。

 類似のシステムでPCオーディオに近いのが、iPodやウォークマンなどの携帯音楽プレーヤー。そのユーザーなら、CDから音源データを取り込み、プレイリストによって、好きな曲を好きな順に自在に聴ける便利さが、PCオーディオにもそのまま受け継がれているといえば理解が早いだろう。

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