15.6型液晶、DVDドライブ搭載のスタンダードノートが値下がり!

 ノートパソコンの価格のイメージがこの夏以降、大きく変わるかもしれない。激安のノートが存在感を大きく増し、15.6型液晶を搭載したスタンダードノートが、なんと3万円台から手に入る時代が来ているのだ。

 実際、3万円台の激安ノートは複数のメーカーからいくつもの製品が販売されている(図1)。3万円台ならば、HDDや光学ドライブを買い足す程度の勇気でパソコン購入に踏み切れるというわけだ。

 では、その中身はどうだろうか。5万円を切る低価格で一時期シェアを大きく伸ばしたネットブックは、実際に使うとOSもCPUもメモリーも、それぞれに制約があった。一方、ここで紹介する3万円台激安ノートは、ネットブックとは異なり実用に堪えるスペックを備える。

図1 3万円台の激安ノートは海外系メーカーを中心に選択肢が増えている。スペックや機能を欲張らなければ、十分に実用に堪えるパソコンが低価格で手に入る
図1 3万円台の激安ノートは海外系メーカーを中心に選択肢が増えている。スペックや機能を欲張らなければ、十分に実用に堪えるパソコンが低価格で手に入る
[画像のクリックで拡大表示]

 主なハードスペックを確認してみよう。15.6型液晶、デュアルコアのペンティアムなどのCPU、2ギガバイト以上のメモリー、250ギガバイト以上のHDD、そしてDVDスーパーマルチドライブ。ことによると、数年前に10数万円を出して買ったメインマシンと大差ないほどのスペックを誇るのだ。

 ソフト面では、OSにWindows 7が採用されている。機能制限のあるネットブック向けのスターターではなく、通常のホームエディションである。ただし、3万円台ではオフィス2010の搭載まではさすがに望めないので、キングソフトオフィスなどを用意する必要はありそうだ。

 NECや富士通の最新売れ筋ノートとスペックを比較したのが図2だ。比較すれば、売れ筋ノートに分がある。しかし、パソコンとして何に使うかがはっきりとしていれば激安ノートでも十分な力を持つことがわかる。その上、売れ筋ノートよりも10万円近く安いのである。

図2 液晶サイズは同じだが、CPU、メモリー、HDD、光学ドライブはスペックダウンし、オフィスも付属しない。しかし3万円台の価格は大いに魅力的だ
図2 液晶サイズは同じだが、CPU、メモリー、HDD、光学ドライブはスペックダウンし、オフィスも付属しない。しかし3万円台の価格は大いに魅力的だ
[画像のクリックで拡大表示]

 すでに市場はこの動向に反応している。各社の夏モデルが登場したばかりの最新のノートパソコン店頭売れ筋ランキング[注1]でも、3位にレノボ・ジャパンの3万円台ノートがランクインしている。ランキング上位を5万円台程度までの激安ノートが独占することもあり、知る人ぞ知る"売れ筋"モデルとなっている。「ボーナスではなく、お小遣いで買えるノート」──これならWindows 7マシンへのリプレースも気軽にできそうだ。


[注1] BCNの「BCNランキング」のノートPC売れ筋ランキングから、2011年6月27日~7月3日の週間ランキングのデータを参照した。3位にレノボ・ジャパンの「Lenovo G560e」がランクイン。このモデルは前週は2位だった。