Vistaユーザーは要注意!来年4月以降Vistaが使えなくなる

 Windows XPのサポートが終了するのは2014年。後継のVistaは当然それ以降まで使えるはず─。そう思っている人は多いだろう。しかし、さにあらず。Vistaは来年4月にサポートが終了してしまう(図1)[注1]。

 これにより、2012年4月以降は、Vista向けの更新プログラムは提供されない。Vistaユーザーは、Windows 7への移行を余儀なくされる(図2)。

図1 XPはすべてのエディションで2014年4月までサポートを受けられるが、個人向けのVistaは来年春にサポートが終了する。2017年まで使えるのはビジネスユーザーのみだ
図1 XPはすべてのエディションで2014年4月までサポートを受けられるが、個人向けのVistaは来年春にサポートが終了する。2017年まで使えるのはビジネスユーザーのみだ
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図2 サポート終了後もVistaを使い続けるのはセキュリティ上、危険だ。サポート期間中に、アップグレードパッケージを使って7に移行しておきたい
図2 サポート終了後もVistaを使い続けるのはセキュリティ上、危険だ。サポート期間中に、アップグレードパッケージを使って7に移行しておきたい
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 なぜこのような逆転現象が起きるのか。それを理解するには、マイクロソフトのサポートポリシーを理解する必要がある。

 そもそも、サポートには「メインストリームサポート」と「延長サポート」の2種類がある。

 メインストリームサポートは「ホーム・プレミアム」などの個人向けエディションが対象で、期間中は無償の問い合わせサービスや、セキュリティ関連の修正プログラムなどの提供を受けられる。OSの発売から5年間というのが目安だ。

 一方、延長サポートは「ビジネス」など企業向けエディションが対象で、メインストリームのサポート終了から5年続く。この期間は、セキュリティ更新プログラムだけ提供されるのがセオリーだった。

 ところが、2001年発売のXPは、後継OSの発売が遅れたことなどから、2007年ごろには終わるはずだったメインストリームサポートが2009年4月まで延びた。さらに、XPのユーザーが非常に多く、サポートを終了した場合の影響が大きいことを理由に、企業向けの延長サポートを個人向けにも適用した。その結果、XPの前に後発のVistaのサポートが終了するという結果になった。

 VistaにもXPと同様の"特例措置"を設けるかについては、「今のところ予定はない」(日本マイクロソフト)という[注2]。2012年4月以降は、セキュリティの更新が止まるため、パソコンがウイルスに感染する危険性が高まる。Vistaユーザーに残された道は、サポート期間内に7に有料でアップグレードするしかない。

 ただし、発売当初のVistaパソコンを7にアップグレードさせるには、基本スペックが足りない場合がある。マイクロソフトが自社サイトで配布する「アップグレード・アドバイザー」というソフトを使ってスペックが十分かどうか確認しておこう。


[注1] 来年4月にサポート終了するのは、個人向けのスターター、ホーム・ベーシック、ホーム・プレミアム、アルティメット。企業向けのビジネスとエンタープライズは、2017年4月までサポートを受けられる
[注2] 2011年7月上旬時点