最近のデスクトップは軟弱になった――。そう思うのは、筆者だけだろうか。今の時代、本体とディスプレイを1つにした「一体型デスクトップ」が主流だが、その大半はノートパソコン向けのCPUを搭載し、ハードディスクの増設さえままならない。これでは、ノートパソコンと大きな違いはない。もう少し、基本性能や拡張性など、デスクトップ本来の良さにも目を向けるべきではなかろうか。

 そこで今回は、久しぶりに「本格派デスクトップ」を取り上げてみたい。エプソンダイレクトがプロフェッショナル向けに販売している「Endeavor Pro5000」である。このモデルは、購入時に仕様を自由に変えられるフルBTO(Build to Order)マシンで、CPUやメモリーをはじめとしたパーツやOS、サービスなどを予算や目的に合わせて自由に選択できる。選択範囲は非常に広く、10万円程度の手ごろな構成から、30万円近い豪華な構成まで自在に組める。

ミドルタワー型デスクトップ「Endeavor Pro5000」。基本構成は10万6680円。
ミドルタワー型デスクトップ「Endeavor Pro5000」。基本構成は10万6680円。
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 プラットフォームはインテルの第2世代Core iシリーズを採用。Core i7-2600をはじめ、Core i5-2500、Core i5-2400、Core i3-2100までが選べる。当然のことながら、れっきとしたデスクトップ向けのCPUである。メモリーは最大16GBまで搭載でき、高性能グラフィックスも用意されている。記憶装置は大容量のHDDはもちろん、高速のSSDも搭載可能だ。

 これらの装備を収めるボディーはミドルタワー型を採用しており、最近主流の液晶一体型やスリムタワー型に比べるとかなり大きい。設置面積もそれなりに取るが、この大きなボディーこそが、性能を重視した本機の特徴だ。ノート用のプラットフォームを採用している液晶一体型や搭載できるパーツのサイズが限られるスリムタワー型には真似のできない高性能を実現している。

 もちろん、ただ大きな箱に高級部品を詰めただけのマシンではない。メンテナンスが非常に簡単であることも大きな特徴の1つで、ねじ回しがなくても、HDDの増設や光学ドライブの移設が簡単にできる。これも、本格派デスクトップの重要な要素だ。今回は特徴的なボディーを中心に細部までじっくり見ていきたい。