日経BPコンサルティングは2011年4月27日、中央省庁が公開する23のWebサイトを対象にしたアクセシビリティの調査結果を発表した。アクセシビリティとは、情報へのアクセスの容易さのこと。Webサイトに配慮が欠けていると、障害者や高齢者などは必要な情報を入手できないことがある。例えば、文字情報を画像化して掲載していると音声読み上げソフトで読み上げられない、マウスでしか操作できないメニューはマウスを使えない利用者には利用できない、といったことが起こる。こうした問題への配慮は公的なWebサイトに特に求められるが、今回の調査の結果、中央省庁のWebサイトであっても対応が不十分な実情が明らかになった。
この調査では、同社が独自に設けた20の項目について調べた(調査概要)。項目は大きく3つに分類される。知覚に関する項目(説明が必要な画像に代替テキストを付与しているか、など)、操作に関する項目(キーボードのみで適切にページ移動ができるか、など)、理解に関する項目(Webページで使われている言語が明示されているか、など)である。いずれの項目も、2010年8月に公示されたWebアクセシビリティに関する規格「JIS X 8341-3:2010」を参考にして設定されている。
満点は20点。首位は、12点を獲得した国税庁のWebサイトだった。全体の平均点は8.78点で、半分以上の項目について対応が不十分であるとの結果になった。中でも、知覚に関する調査項目の点数が低い傾向が見られた。
各Webサイトの得点
順位 | 府省名 | 得点 |
---|---|---|
1 | 国税庁 | 12 |
2 | 内閣府 | 11 |
総務省 | 11 | |
外務省 | 11 | |
農林水産省 | 11 | |
6 | 文部科学省 | 10 |
観光庁 | 10 | |
8 | 首相官邸 | 9 |
内閣官房 | 9 | |
消費者庁 | 9 | |
法務省 | 9 | |
文化庁 | 9 | |
資源エネルギー庁 | 9 | |
中小企業庁 | 9 | |
国土交通省 | 9 | |
環境省 | 9 | |
17 | 特許庁 | 8 |
防衛省 | 8 | |
19 | 警察庁 | 7 |
経済産業省 | 7 | |
気象庁 | 7 | |
22 | 財務省 | 6 |
厚生労働省 | 6 |