BlackBerryを利用する場合に必要となるサービスBIS(BlackBerry Internet Service)の料金が、12月1日から490円/月になりました。従来は1575円/月でしたので、大幅値下げといえます。NTTドコモのISPサービスとなるため、「ISPセット割」の対象になります。また、これまで他のスマートフォン用に提供していたSPモードも使えるようになり、絵文字メールを使ったり、iモードのメールアドレスを利用できるようになります。(ドコモの広報発表資料

 現在、BlackBerryを個人で利用している多くの方は、基本となるプランとパケホーダイなどのパケット割引サービスにBISを加えて契約しているはずです。これが合計額で約1000円安くなるのですから、かなりの値下げといっていいでしょう。

 SPモードの契約自体は、他のスマートフォン用のSPモードと同じですが、BlackBerry用のSPモードは、内容が少々違っています。

 他のスマートフォンのSPモードは、ISPサービスの一種で、インターネットアクセスのサービスを提供するものであり、その一部としてiモードメールアドレスと、iモードに準拠したメールサービスが提供されています。BlackBerryの場合、インターネットアクセスはすべてBIS(あるいはBES)を経由するので、SPモードを契約してもBISを使い続けることになり、アクセスポイントなどの設定も行いません。他のスマートフォンでは、ISPサービスを切り替えるために、SPモード専用のアクセスポイント(データ通信を行う場合の接続先、つまり電話番号のようなもの)を登録して、こちらに接続して使うようになっています。

 SPモードでは、iモードメールと同じ「@docomo.ne.jp」を使ったメールアドレスが利用できます。BlackBerry Bold 9700とCurve 9300には、SPモード用アプリケーションが提供され、これを使うことでSPモード上のサービスが利用できるようになります。このとき、同一回線契約で、iモードとSPモードの両方を契約している場合に限り、メールアドレスの「入れ替え」機能を使い、iモードで使っていたメールアドレスをスマートフォン側(BlackBerry側)で使うことができるようになります。ただしスマートフォン側では、iモードメールのすべての機能が使えるわけではないので注意が必要です。

 多少の制限はあるとはいえ、通常の携帯電話からBlackBerryに切り替えても従来使っていたメールアドレスがそのまま使えるというのは、これからBlackBerryに乗り換えるユーザーには魅力的です。メールアドレスは、入れ替えられるので、携帯電話をBlackBerryから普通の携帯電話に戻したとしてもiモードの契約が継続していれば、また、同じメールアドレスで使い続けることも可能です。

 11月時点では、スマートフォン向けのSPモードメールなどのSPモード用のサービスは、無線LANに対応していないのですが、来年1月末からは無線LAN経由でもサービスが利用できるようになるとのことです。

ISPセット割は意外にリーズナブル

 SPモードを使うためには、月額315円かかりますが、BISがプロバイダーサービスとなっているため、SPモードを使うと「ISPセット割」が有効になり、BISとSPモードの利用で合計315円の割り引きとなり、実質、BIS契約のみと同じ料金になります。このISPセット割について解説しておきましょう。

 ドコモの携帯電話からインターネットアクセスするには、ドコモが「プロバイダ」(ISP)と呼ぶサービスに加入する必要があります。これは、現時点では、以下の4つが対象です。

iモード 315円/月
SPモード 315円/月
moperaU 315円/月(ライトプラン。利用した月のみ)
BIS 490円/月

 この「プロバイダ」のうち2つ以上を契約すると、自動的にISPセット割の対象となり、それぞれの毎月の利用料金から157.5円が割り引かれます。

 具体的に、BISとSPモードを契約した場合には、以下のような計算になります。

BIS 490円 - 157.5円 = 332.5円
SPモード 315円 - 157.5円 = 157.5円
合計 490円

 つまり、SPモードを契約しても、BISのみを契約した場合と毎月の支払額は同じになるのです。

 では、もともと、iモード契約をしていた普通の携帯電話のユーザーがBlackBerryに乗り換えたときにはどうなるでしょうか? この場合には、「iモード」「SPモード」「BIS」の3つのISPを使うことになるので、

iモード 315円-157.5円=157.5円
SPモード 315円-157.5円=157.5円
BIS 490円-157.5円=332.5円
合計 647.5円

 となり、iモードのみを使っていた場合(315円/月)と比較して、332.5円の差額で済みます。

 BlackBerryユーザーが、moperaを契約してBlackBerryを無線モデムとして利用することもできます。SPモードは、インターネット接続機能はありますが、無線モデムとして利用することはできません。これに対してmoperaUを契約すると、USB経由などでPCを接続し、BlackBerryを無線モデムとして使うことができるようになります。このときも、BISとSPモードの場合と同じで、合計額は変わらず、490円/月となります。

BIS 490円 - 157.5円 = 332.5円
moperaU 315円 - 157.5円 = 157.5円 ライトプランの場合
合計 490円

 BISがISP扱いとなったことで、BlackBerryユーザーでも、SPモードやmoperaを追加料金なしに利用することが可能になりました。必要に応じて、SPモードやMoperaの利用を検討してもいいと思います。