天気予報の歴史は長い。そして、その間に、天気を正確に予測する技術も着々と進んできた。古代の人たちは、雲のパターンや空の様子から天気を予想していたといわれる。現代は、アメダスや気象レーダーのデータをコンピューターで解析して予想する。
この天気予報に、新たなアプローチで取り組む企業がある。それがウェザーニューズだ。ウェザーニューズは1986年、東京都港区に設立された気象情報専門の会社。元々は、船舶への気象情報提供から始まり、航空機や鉄道、放送局、個人までユーザーを広げてきた。
今回、そんなウェザーニュースのセンターを見学する機会を得た。天気予報の現場はどうなっているのか。その様子をリポートする。
同社が今、力を入れているのが、ユーザーのコミュニティーを使って集める実況情報。有志のユーザーに「ウェザーリポーター」として登録してもらい、「今、晴れている」「雨が降ってきた」などの情報や、雲の様子を撮影した画像などを送ってもらう。これを分析し、予測を随時修正。より精度の高い天気予報を目指している。
ウェザーニューズの取り組みは、天気予報をエンターテインメントにも変えつつある。ウェザーニューズでは、桜の開花状況をリポートする「さくらプロジェクト」、サポーターの自宅に花粉観測機を設置し、花粉飛散量を測定してもらう「花粉プロジェクト」といったユーザー参加型の企画を次々に実施。同社が運営する「ウェザーニュース」のサイトには、ユーザー同士が互いに「お気に入り」に登録することで互いにコミュニケーションを取れる機能などを追加した。情報をただ受け取るのではなく、予報に参加することに楽しみを感じるユーザーは多いようで、ウェザーリポーター数は2010年9月時点で約21万人、リポート件数は1日約30万件に達している。