愛知県小牧市立光ヶ丘中学校
教員の仕事(校務)にICTを有効に活用しているのが、愛知県小牧市立光ヶ丘中学校。教員は1人1台のパソコンを使い、グループウエアで情報を共有する(図1)。
「仕事が効率化するぶん、生徒とふれあう時間を増やせる」。野田芳邦校長は、グループウエアの利点をこう説明する。事務的な連絡事項はグループウエアで伝えられるため、以前に比べて会議にかかる時間が減った。クラス名簿や出席簿なども電子化されており、集計や報告書の作成にかかる手間が軽減される。空いた時間で、生徒と向き合えるようになった。
新たに見えるものがある
校務用ソフト導入による「見える化」の効果も大きい。例えば全クラスの出席簿の記録を解析することで、全体の出欠の傾向が分かる。個人の出席記録についても「“毎週月曜日だけ休んでいる”のような特殊な例が、ソフトによって自動抽出される。これまでなら気付けなかったかもしれないサインを、見落とさなくなった」(中谷直教頭)。
グループウエアには「学習相談室」や「心の相談室」など、教室以外での記録も書き込まれる。担任教員が把握しにくい子どもの一面がきちんと記録として残り、教員間で共有される。その結果、よりきめ細かな指導ができるようになった。
見える化の最たるものが、同校独自の取り組み「いいとこ見つけ」(図2)。日々の学校生活の中で生徒の良いところを見つけたら、教員がグループウエアに書き込む。
各生徒の情報には、全教員がアクセスできる。教科を受け持っている、部活動の顧問をしている、といったさまざまな立場で、その生徒の“いいとこ”を書き込んでゆく。
蓄積された“いいとこ”は、通知表の一部になる。生徒にとっては喜びになるし、保護者も自分の子どもが多くの大人に見守られていることを実感し、安心するという。