学校教育の現場で、パソコンやインターネットが急速に存在感を増している。特に2009年は、教育の情報化にとって歴史的な意味のある1年となった。「スクール・ニューディール」によって、設備面の整備が大幅に進展したのだ。
スクール・ニューディールとは、経済対策の一環として2009年に国が発表した構想。学校現場に大規模な資金を投入し、教育の情報化を推進するものだ。この構想に沿って、2009年度の補正予算には2000億円以上の予算が盛り込まれた(図1)。8月の政権交代によって予算の一部は執行停止になったものの、全国の学校でICT(情報通信技術)環境の整備が進んだ(図2)。
ICTで学力が上がる
教育現場でのICTの活用には、さまざまな利点があることが知られている。まずは、児童生徒がICTを使いこなせるようになる。また教員は、授業の質を向上させるツールとして活用できる。英語の授業で発音を学ぶのに、CDなどを利用するのと同じイメージだ。
例えば、整備が進んだ電子黒板(図3)。デジタル教材などをそのまま投影できるため、板書の手間を削減できる。重要な個所を拡大する、電子ペンで書き込むといったことも可能で、児童生徒に分かりやすい説明をするのに一役買う。音声や動画、ネット上のサービスなど、教材の幅を広げることもできる。