ソニーの2010年デジカメ夏モデルの中で、主力モデルの1台が「Cyber-shot DSC-TX9」だ(以下TX9と略す)。Tシリーズは、薄型のスタイリッシュモデルで、これまでにも多くのヒット機を生み出してきた。その最新モデルは、有効1220万画素の最新型の裏面照射型CMOSセンサー「Exmor R」を搭載、3Dの静止画を撮影する機能も備えて登場した。気になる3Dの使い方や楽しみ方をはじめとして、Cyber-shotの薄型最新モデルの使い勝手や機能をチェックしてみよう。

Cyber-shot DSC-TX9のスリムなボディ。これはダークグレーで、ほかにゴールド、レッドがある。実勢価格は約4万5000円。
Cyber-shot DSC-TX9のスリムなボディ。これはダークグレーで、ほかにゴールド、レッドがある。実勢価格は約4万5000円。
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レンズカバーを閉じたところ。直線的ですっきりとしたデザインは、格好良く、かつ持ち手を選ばない。
レンズカバーを閉じたところ。直線的ですっきりとしたデザインは、格好良く、かつ持ち手を選ばない。
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春モデルのTX7に高画素センサーや3D機能を追加

 TX9は、直接的には2010年春モデルのCyber-shot DSC-TX7の後継に相当する。Tシリーズには、TX7の後にCyber-shot DSC-TX5という派生モデルも販売された。しかし、TX5は防水・防塵機能を備えて、水中撮影も可能といったアクティブな側面が強いモデルである。コンパクトで上質なTシリーズの王道を歩むTX9としては、TX5よりも高機能なTX7からの成長を確認するのが正当だと思う。

 TX7とTX9の大きな違いは、突き詰めるとほぼ3点に凝縮される。1つは前述したセンサー。両者とも裏面照射型CMOSセンサーのExmor Rを採用しているが、TX7は有効1020万画素、TX9は新開発の有効1220万画素と200万画素の違いがある。2つ目は、同社のコンパクトカメラでは初めてとなる3D静止画の撮影機能を搭載したこと。3つ目はカメラがシーンを自動判別して最適な設定で撮影する「おまかせオート」に、「プレミアムおまかせオート」が新たに加わったことである。