米マイクロソフトは2010年6月7日(米国時間)、Officeの最新バージョン「Office 2010」のWebアプリケーション版「Office Web Apps」が、同社のオンラインサービス「Windows Live」上で利用可能になったと発表した。同社の公式ブログでは、米国、英国、カナダ、アイルランドの4地域で公開したとしているが、日本国内のユーザーでも、(1)Office 2010がインストールされたパソコンからアクセスした場合(2)Office 2010のベータテストもしくはOffice Web Appsのテクニカルプレビューに参加したユーザー(Windows Live ID)なら利用できる。そのほかのユーザーでも、公式ブログに設けられたリンクを経由することで使えるようになる。

 Office Web Appsは、Webブラウザー上で動作するWebベースのOfficeアプリケーションで、パソコンにOfficeがインストールされていなくても利用できる。「Word」「Excel」「PowerPoint」「OneNote」の4つが提供され、Webブラウザーは「Internet Explorer 7」以降、「Safari 4」以降、「Firefox 3.5」以降をサポート。Windows LiveのIDを取得していれば、誰でも無料で利用できるのが魅力だ。

Windows Liveサービスにサインインすると、上端のナビゲーションに「Office」という項目が現れる。これをクリックすると、Office文書を管理するオンラインストレージが開く。その実体は従来からあるオンラインストレージの「SkyDrive」。「新規作成」をクリックするか、右側にあるWordやExcelのアイコンをクリックすると、新たに文書を作成できる
Windows Liveサービスにサインインすると、上端のナビゲーションに「Office」という項目が現れる。これをクリックすると、Office文書を管理するオンラインストレージが開く。その実体は従来からあるオンラインストレージの「SkyDrive」。「新規作成」をクリックするか、右側にあるWordやExcelのアイコンをクリックすると、新たに文書を作成できる
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新規作成時には、最初に名前を付けてファイルを保存する。ファイル形式は「Office 2007」以降で採用されたOpen XML形式で、Wordが「docx」、Excelが「xlsx」、PowerPointが「pptx」。「Office 2003」以前のファイル(doc、xls、ppt)をアップロードした場合は、編集時にOpen XML形式に変換され、別名で保存される
新規作成時には、最初に名前を付けてファイルを保存する。ファイル形式は「Office 2007」以降で採用されたOpen XML形式で、Wordが「docx」、Excelが「xlsx」、PowerPointが「pptx」。「Office 2003」以前のファイル(doc、xls、ppt)をアップロードした場合は、編集時にOpen XML形式に変換され、別名で保存される
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 ただし、Office Web Appsは通常のOfficeに比べれば“簡易版”であり、機能は大幅に制限される。あくまで通常のOfficeを補完するものであり、有料版のOfficeを買わずにOffice Web Appsだけで済ますというケースは想定していない。もちろん、Web版だけで新規に文書を作成することはできるが、基本的には、ベースとなるOffice文書をパソコン上のOffice 2010で作成した上で、その文書に外出先でアクセスしたり、ほかのユーザーと共有、共同編集したりする際にOffice Web Appsを使うといった用途が中心になるだろう。

WordのWeb版「Word Web App」の編集画面。これまでWindows Live上で公開されていたテクニカルプレビュー版にはなかったもので、一般ユーザーには初公開となる。「ファイル」タブ以外には「ホーム」「挿入」「表示」の3つしかタブがなく、最低限の機能だけを備える
WordのWeb版「Word Web App」の編集画面。これまでWindows Live上で公開されていたテクニカルプレビュー版にはなかったもので、一般ユーザーには初公開となる。「ファイル」タブ以外には「ホーム」「挿入」「表示」の3つしかタブがなく、最低限の機能だけを備える
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