◆日経パソコン 2010年1月11日号「2010年はこれが来る!」からの転載です。
2010年のネットサービスは、「リアルタイム」がカギ。遠く離れたあの人の、まさに“今”の様子が分かるようになる。
この動きを代表するアプリケーションが、米グーグルが開発を進める「Google Wave」(図1)。正式サービスは始まっておらず、招待制でプレビュー版を公開している段階だ。
Google Waveは、「今の時代にメールソフトを作るとしたらどうなるか」との発想で作られたサービス。従来のメールは、自分と相手のメールソフト内に同じデータの複製が保存されていた。これに対してGoogle Waveでは、同じデータをネット上で共有し、互いに編集を加えられる。これにより、他人とのリアルタイムなコラボレーション(共同作業)が可能になる。
Google Waveでは、すべてのやり取りは「wave」という単位になる。他人とやり取りしたいときはまずwaveを新規作成し、そこに相手を追加。すると相手の画面にも同じwaveが現れ、コメントを書き込んだり、写真や地図を挿入したりと、さまざまな編集ができる。
目新しいのは、相手の操作がリアルタイムに分かること(図2)。同じwaveを同時に開いている場合は、相手のカーソル位置が画面内に表示される。相手が文字を入力すればそれが1文字ずつ現れ、削除すればそのつど消える。相手が考えながら文書を推敲している様子を、手に取るように把握できる。まさに、相手の“息遣い”まで感じさせるダイナミックな仕掛けだ。