◆日経パソコン 2010年1月11日号「2010年はこれが来る!」からの転載です。

 2010年は、1台のパソコンに2台以上のディスプレイを接続する「マルチディスプレイ」環境が当たり前になる。広々としたデスクトップ画面を作業領域として使えるマルチディスプレイは、仕事の能率を高める目的でパソコンの達人の多くが愛用している。新技術や新製品の登場により、一般ユーザーにも浸透していく(図1)。

【マルチディスプレイで仕事の能率を高める】
図1 左は、DisplayPort端子を使い3台のディスプレイを横に並べた例。右は、工人舎の「DZシリーズ」。スライド式の液晶ディスプレイは、持ち運び時に収納できる
図1 左は、DisplayPort端子を使い3台のディスプレイを横に並べた例。右は、工人舎の「DZシリーズ」。スライド式の液晶ディスプレイは、持ち運び時に収納できる
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 マルチディスプレイ環境を構築するには、パソコン側に2つ以上のディスプレイ端子が必要だ。この端子の種類が多様化している(図2)。標準端子として広く普及した「アナログRGB」と「DVI」に取って代わろうとしているのが「HDMI」端子。(1)HD(High Definition)映像に対応、(2)映像と音声を同時に入出力できるといった特徴を備える。HDMI端子付きのテレビとパソコンをつなげば、居間の大画面テレビがパソコン用ディスプレイに早変わりする。

【パソコンが搭載する主なディスプレイ端子】
図2 上位機種のパソコンは、2種類以上の端子を搭載していることが多い
図2 上位機種のパソコンは、2種類以上の端子を搭載していることが多い
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 新規格の「DisplayPort」端子は、複数台のディスプレイをハブを介して1つの端子に接続できる。DisplayPortから給電するため、ディスプレイをコンセントにつなぐ必要はない。ただし、DisplayPort端子を備えたパソコンは、今のところ海外メーカーの一部機種に限られる。国内メーカーの対応はこれからだ。