携帯電話、デジタルカメラ、携帯音楽プレーヤー、デジタルビデオカメラといった、デジタル機器の処分で悩んだことはないだろうか。こうした機器は、粗大ごみの既定サイズを下回るため、いわゆる不燃ごみとして処分することが多い(自治体による)。しかし、ぽいと捨てるには抵抗があるユーザーも多いのではないかと思う。金属部分が多いので、資源性があるのでは? 内部メモリーを持つ機器をごみ集積場に出して、個人情報流出の恐れはないのか? といったことが気になるからだ。

 小型デジタル機器を回収、資源化する取り組みが全国で始まっている。取り出される資源は、デジタル機器に共通する部品、液晶パネルや小型モーター、基板、充電池などに含まれるレアメタルだ。

 東京都内では、2009年11月15日から、2010年2月28日まで、江東区と八王子市の2自治体で「小型家電のレアメタルリサイクルモデル事業」を実施している。まずは、江東区での回収事業と、集められた小型家電が選別、解体の中間処理工程にたどりつくまでを見てみよう。

 この事業での「小型家電」とは、冒頭で挙げた小型のデジタル機器製品のことだ。ケーブルやクレードルなどの付属品、電子辞書やカーナビ、ポータブルゲーム機、電卓、携帯用テレビやラジオなども含まれる。