光ディスクの新常識!

ハードコートで硬くなった、指紋も拭き取れる

 レンタルショップで映画のDVDを借りると、盤面が傷だらけでビックリすることがある。DVDの盤面はそれほどまでに傷に弱い。ティッシュペーパーですら、拭くと微細な傷が付いてしまう。

 ところが現在は、傷を気にせずに使えるDVD-Rメディアが増えてきている。ハードコートと呼ばれる特殊な表面処理を記録面に施した製品がそれだ。DVD-Rの場合、記録用の有機色素の上に透明なポリカーボネート基板をかぶせ、これが盤面側に露出している。その上に、特殊なコート材が塗ってあるイメージで、見た目はまるで鏡のようである。

 代表的なのが、イメーションがTDKブランドで販売する「超硬」シリーズ。TDKが、通常の約100倍も傷が付きにくいとうたう「DURABIS」技術を2002年に開発。これを採用したのが超硬シリーズだ。最近は、ソニーや日本ビクターなども、ハードコート付きの製品を販売する(図1)。

●DVDでは一部製品が、Blu-rayではほぼ全製品が表面に特殊コート
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図1 TDKが2002年にDVDメディア向けに開発した「DURABIS」技術が、ハードコートの先駆け。その後ライバルも同様の技術を開発し、自社製品に採用している。Blu-ray Discは盤面の強度が規格で決まっており、基本的には全製品がハードコートを採用する
図1 TDKが2002年にDVDメディア向けに開発した「DURABIS」技術が、ハードコートの先駆け。その後ライバルも同様の技術を開発し、自社製品に採用している。Blu-ray Discは盤面の強度が規格で決まっており、基本的には全製品がハードコートを採用する
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 実はハードコートは、Blu-ray Discの世界では、採用が常識になっている。国内大手メーカー製のBD-Rメディアを購入したら、必ずハードコートを施されていると考えてよい。BD-Rは、ポリカーボネート基板が0.1mmと薄く、ちょっとした傷が付いただけで読み取りに支障が出てしまう。そのため、仕様で盤面の強度が決まっている。各メーカーは、ハードコート処理によって、仕様を満たす製品を開発している。