2009年5月7日、Microsoftは「Windows 7 RC」の配布を開始した。RCは「Release Candidate」の略で、「リリース候補」または「製品候補」と訳される。

 RC版は製品版と同等の機能を備えており、ユーザーに向けて広く公開し、さまざまな環境で動作テストを実施する。MicrosoftはRC版の公開以後、新たに機能を追加することなく、製品出荷までは不具合の修正だけをする。重大な問題が発生しない限り、仕様は変更されない。

 RC版の検証作業が順調に進めば今年の夏ごろに完成版となるRTM(Release To Manufacturing)版が出ると考えられる。

多くのドライバーを備える

 今回のWindows 7 RC版は、以前公開されたベータ版に比べると、ドライバーの種類が増えたようだ。今回試したところ、さまざまな周辺機器の専用ドライバーがWindows Updateを介してインストールされた。

 Windows 7から、指紋認証などの「生体認証」を標準でサポートするようになった。これまで、認証処理をサードパーティープログラムで代替できたが、画面インターフェースは標準で用意していなかった。Windows 7では、コントロールパネルに生体認証デバイスのプロパティアイコンなどが用意され、指紋リーダーのドライバーを用意するだけで、指紋認証によるログインが可能になった。今回テストで、指紋リーダー付きのPCにWindows 7をインストールしたところ、インストール後のWindows Updateで指紋リーダードライバーが組み込まれ、指紋認証によるログインができた。

 また、IntelのCPU、Atomで使われるチップセット「US15W」や内蔵グラフィックスの「Intel GMA500」や、無線LANなどもWindows 7 RCが備えるドライバーで動作した。その後、Windows Updateで最新のドライバーがダウンロードされた。

 Windows 7 RCでは、現行のデバイスのドライバーがほぼそろったようだ。追加のドライバーや最新のドライバーをダウンロードするため、Windows 7のインストール時には、インターネットに接続できる方がよい。もしドライバーが自動ではインストールされなかった場合は、Windows Vista用のドライバーが使えると考えてよい。