「重っ!」「このスマートフォン、テンキーないんですか? あり得ない!」「これ、ボタン光らないよ」──。記者が持参したさまざまなスマートフォンを手にした学生は思い思いの感想を口にした。

 広島国際大学に通う、ごく普通の大学生11人。彼らが一般的な大学生と少し違うのは、そのかばんの中にいつもスマートフォンを忍ばせていることだ。利用しているのはウィルコムの「Advanced/W-ZERO3[es](W-ZERO3)」。冒頭の光景はW-ZERO3を学生の目線で3カ月使い続けている彼らに、ほかのスマートフォンはどう映るかと手渡したときのものである。

 彼らは大学で丁井雅美准教授のゼミに所属。W-ZERO3を利用し、モバイル機器の教育現場での有用性を研究している。ゼミで扱う機器はスマートフォンに限らない。携帯電話はもちろん、携帯ゲーム機の「ニンテンドー DS」や「PSP」、比較のためパソコンも研究対象になる。

 丁井氏は「現状でW-ZERO3も含めて、学生が使うことを考えると、どのスマートフォンも開発途上」と前置きした上で、「スマートフォンほど文教市場に向いているものはないのではないか、と思うのです」という。例えば、学生がレポートを書く場合を考えてみよう。「パソコンだと簡単に情報検索ができすぎて、コピペだらけ。一方、携帯だといつもの習慣かフランクな文章になってしまう。スマートフォンはそれらの欠点を回避できる可能性があると思う」(丁井氏)からだ。

【「教育に使えるモバイル端末」をテーマにゼミで研究】
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