パソコンを長く使っていると、起動に時間がかかるようになる。XP、Vistaより高速といわれたWindows 7も例外ではない。主な原因は「ユーザープロファイル」の肥大化にある。

 ユーザープロファイルとは、レジストリやショートカット、デスクトップ環境などをユーザーごとに管理する仕組みのこと。Windowsではアカウントごとにプロファイルを持っている。ソフトのインストールなどを繰り返していくうちに、プロファイルがどんどん肥大化する。

 Windowsは起動時にユーザープロファイルと頻繁にやり取りするため、肥大化していると読み込みに時間がかかってしまう(図1)。メンテナンス用のフリーソフトでお手入れできるが、抜本的な解決にはならない。

ユーザープロファイルが整理され、動作が快適に
図1 Windowsは、アカウントごとにユーザープロファイルを持ち、レジストリ、ショートカット、スタートアップなどを管理している。起動が遅くなる主な原因はプロファイルの肥大化。アカウントを引っ越せば、プロファイルが整理され起動が速くなる
図1 Windowsは、アカウントごとにユーザープロファイルを持ち、レジストリ、ショートカット、スタートアップなどを管理している。起動が遅くなる主な原因はプロファイルの肥大化。アカウントを引っ越せば、プロファイルが整理され起動が速くなる
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 そこでお勧めなのが、新しいユーザーアカウントへの移行だ。これまでのアカウントを捨て、新しいアカウントに乗り換えればプロファイルが一気に身軽になり、快適さがよみがえる。

 ただ、新しいアカウントに移行してデータや設定をすべて失ってしまうのでは意味がない。そこで、「Windows転送ツール」を使ってデータを新しいアカウントに移行する。本来Windows転送ツールは、古いパソコンから新しいパソコンにデータを移すために使うが、アカウントの引っ越しにも活用できる。

 操作手順は次の3ステップだ(図2)。まず現在のアカウントのデータをまとめて保存する(ステップ1)、次に新しいアカウントを作ってデータを取り込む(ステップ2)、最後に不足分があれば古いアカウントから手動で移す(ステップ3)。すべての作業で1時間弱かかる。大量の写真や動画を保存している人は、その分余計に時間がかかるので注意しよう。

アカウント移行は3ステップで完了
図2 新アカウントへの移行は全部で3ステップ。まず転送ツールで旧アカウントのデータを1つにまとめ「パブリックのドキュメント」に保存する。次に、そのデータを新アカウントに移す。万が一、移行していないファイルがあったときは手動で移動/コピーすればよい
図2 新アカウントへの移行は全部で3ステップ。まず転送ツールで旧アカウントのデータを1つにまとめ「パブリックのドキュメント」に保存する。次に、そのデータを新アカウントに移す。万が一、移行していないファイルがあったときは手動で移動/コピーすればよい
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