低消費電力が売りの最新パーツを使うと、いったいどのくらいまで消費電力を低減できるのか。省エネと静音は両立できるのか。TDPが17WのCPU、Xeon E3-1220L v2を使ってPCを自作し、動作を検証した。
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このマシンのキモとなるXeon E3-1220L v2。Xeonはサーバーやワークステーション向けCPUのブランド。最新のCore iシリーズと同じIvy Bridgeベースで、TDP(実使用上の最大消費電力)がわずか17Wと低い。
注目2
E3-1220L v2は、チップセットにIntel C202/204/206/216を搭載するマザーボードと組み合わせる。グラフィックス機能は内蔵していない。今回使ったサーバー向けの「P8B-X」はIntel C202を搭載し、グラフィックスチップも備える。
注目3
動作音を抑えるために、電源ユニットはファンレスを選んだ。「SS-400FL」は定格出力が400Wで、今回のパーツ構成なら出力の大きさも十分。低消費電力のCPUや通気性の高いPCケースと組み合わせれば、ファンレスでも温度の心配は少ない。
自作のポイント
サーバー用マザーボードを使う
CPUはXeon E3シリーズの中でTDPが17Wと最も低いXeon E3-1220L v2を使った。デスクトップ向けのCore i、Pentium、Celeronシリーズなら低くてもTDPが35Wなので、17Wという値は抜きんでている。コアが最新のIvy Bridgeベースというのも魅力。2コア/4スレッドで動作周波数は2.3GHzと低めだが、Turbo Boost機能を搭載しており、最大3.5GHzで動作する。
組み合わせるマザーボードには注意が必要だ。Intel C202/204/206などの対応チップセットを搭載した、サーバーやワークステーション向けの製品が必要になる。今回はC202を搭載した「P8B-X」を選んだ。
E3-1220L v2はグラフィックス機能を搭載していないが、P8B-Xは「Volari Z9S」(旧XGI Technology、Silicon Integrated Systemsが買収)、または「AST1100」(ASPEED Technology)というグラフィックスチップを備える。せっかくTDPが低いCPUを使っても、グラフィックスボードを増設すると消費電力が格段に上がってしまう。グラフィックス機能付きのマザーボードなら、システム全体の消費電力を抑えられる。