MS-IME/MS-IME 2007には、ユーザーの使い方に合わせて変化していく「学習機能」が用意されている。例えば、候補一覧から選択した候補を次回から最上位に表示したり、ユーザーの修正した文節の区切り方を記憶したりして、ユーザーの使い方に合わせて成長していくのである。
したがって、人のパソコンを借りて日本語を入力する際には、自分の使い方が、MS-IME/MS-IME 2007の成長にいくらかの影響を与えることになる。それを避けるなら、学習機能を無効にしてから利用を開始するのも一つのマナーだ(あるいは、人に貸すときに無効にしてから貸すのも一つのテクニックだ)。
使い方を学習されることが、パソコンを借りる側にとって好ましくないケースもある。特に不特定多数のユーザーが利用するパソコンで、メールアドレスや氏名などの個人情報、IDやパスワードを入力する場合は、その痕跡を残さないために学習機能は無効にした方が安全だ。その際には、第11回の「予測入力をカスタマイズする」で紹介したように、入力履歴も消去した方がよい(MS-IME 2007の場合)。
ここでは、MS-IME/MS-IME 2007のそれぞれについて、学習機能を無効にする設定を紹介しよう。
なお、人から借りたり、公共のパソコンを学習機能を無効にして使った後は、再び有効にしておくことを忘れないようしよう。また、不特定多数のユーザーが触れるパソコンでは、個人情報やID、パスワードなどの情報は入力しないのが原則であることは強調しておきたい。学習機能を無効にしても、「キーロガー」などの盗聴用プログラムが仕掛けられていると、対処のしようがないからだ。