Excelは数字だけでなく文字も並べ替えることができる。日本語が入力されているセルを選択して並べ替えを実行すれば、漢字であっても正しく五十音順に並べ替えられる。

図1 日本語が入力されているセルを選択して「昇順で並べ替え」を実行する
図1 日本語が入力されているセルを選択して「昇順で並べ替え」を実行する
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 しかし、ときには下図のように、正しく並べ変わらないときがある。これはいったい、どうしたことだろう。

図2 「田中」だけ正しく並べ変わらなかった
図2 「田中」だけ正しく並べ変わらなかった

 そもそも、Excelはどうやって漢字の読みを判断しているのだろう。「林」は「はやし」ではなく「りん」かもしれないではないか。実はExcelは、日本語を並べ替えるとき、セルのふりがなを基準に並べ替えるようになっている。漢字ではなくふりがなを基準にしているので、正しく五十音順に並ぶのだ。

 しかし、Excelは自動的にふりがなを認識できるわけではない。ユーザーがセルに入力した「漢字変換前の読み」をふりがなとして記憶しているのだ。セルにどんなふりがなが設定されているかは、漢字が入力されているセルを選択して、「ホーム」タブ「フォント」グループの「ふりがなの表示/非表示」ボタンをクリックすればわかる。

図3 ふりがなを表示したいセルを選択して、「ふりがなの表示/非表示」ボタンをクリックする
図3 ふりがなを表示したいセルを選択して、「ふりがなの表示/非表示」ボタンをクリックする
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 「田中」が正しく並ばなかったデータを見ると、「田中」だけふりがなが設定されていないのがわかる。なぜ「田中」だけふりがなが設定されなかったのだろう。実は「田中」だけ、ほかのアプリケーションからコピーしたデータだったのだ。ブラウザやメールソフトからデータをコピーすることは多い。そうしたデータは、セルに直接入力したわけではないので、ふりがな情報が記録されないのだ。

 ふりがなが設定されていないセルに、新たにふりがなを設定するのは簡単だ。まず、ふりがなを設定したいセルを選択し、「ふりがなの表示/非表示」ボタンから「ふりがなの編集」を選ぶ。

図4 ふりがなを設定したセルを選択し、「ふりがなの表示/非表示」ボタンから「ふりがなの編集」を選ぶ
図4 ふりがなを設定したセルを選択し、「ふりがなの表示/非表示」ボタンから「ふりがなの編集」を選ぶ
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 実行すると、セルの漢字にふりがなが自動的に設定される。Enterキーを押して「ふりがな情報を確定」する。

図5 今回のケースのように、ふりがなが設定されていないときは、自動的に設定される。1回目のEnterキーでふりがな情報を確定する
図5 今回のケースのように、ふりがなが設定されていないときは、自動的に設定される。1回目のEnterキーでふりがな情報を確定する

 もう一度Enterキーを押して「セルのデータを確定」すれば完了だ。

図6 2回目のEnterキーでセルのデータを確定する。Enterキーを2度押さなければならない
図6 2回目のEnterキーでセルのデータを確定する。Enterキーを2度押さなければならない

 この操作で設定されるふりがなは、IMEが持つ「漢字の標準的な読みの辞書」を参照している。日本語は難しいので、必ずしも適切なふりがなが設定されるとは限らない点には注意しよう。