容量無制限のクラウドストレージとして知られるBitcasaについては、本連載で2回取り上げた。
もうディスクは買わなくていい? 容量無制限のクラウドストレージの実力やいかに
当初の容量無制限のスペックから大幅に後退 Bitcasaは普通のクラウドストレージになったのか?
 2回目の記事では、2013年11月の価格改定で大幅な値上げを実施したことについて批判的な意見を書いたが、今回、BitcasaのCEOであるブライアン・タペッチ氏に取材する機会を得たので、価格改定の理由など、率直な質問をぶつけてみた。

世界140カ国に100万人のユーザー、日本は米国に次いで2位の市場

Bitcasaの最高経営責任者(CEO) Brian Taptich(ブライアン・タペッチ)氏
Bitcasaの最高経営責任者(CEO) Brian Taptich(ブライアン・タペッチ)氏
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──まずは、最新のBitcasaのユーザー動向について教えてください。

 現在、Bitcasaのユーザー数は約100万人で、140カ国に広がっています。米国が最大ですが、それに次いで大きいのが日本です。日本のユーザーが全ユーザー数の約14%を占め、1日あたり約10TBのデータが日本からアップロードされています。Bitcasaが保管しているデータの約25%が、日本のユーザーによるものなのです。

──なぜ、日本のユーザーがそんなに多いのでしょうか。

 理由はいくつかあると思います。まず、第一は日本が未来を先取りしているからです。日本には高速なインターネットのインフラがあり、モバイルが発達し、高度なデバイスと多くのアプリが存在しています。我々のソリューションは、未来の状況に最適化していますので、日本のユーザーに広く受け入れられたのだと思います。

 セキュリティも理由です。Bitcasaでは、データの暗号化はサーバサイドではなくクライアント側で行います。暗号を復号するカギもユーザー側にあるため、Bitcasaの社員もデータの中身を見ることはできません。また、Bitcasaのデータ保存先は地域化されています。具体的には、日本のユーザーのデータは日本国内のデータセンターに保存されます。

──Bitcasaはデータ保存先としてAmazon Web Servicesを利用していると聞きましたが、日本のBitcasaユーザーのデータは、Amazonの日本国内のデータセンターに保存されるということですか。

 はい、そのとおりです。日本国内のデータセンターに保存する理由はセキュリティとパフォーマンスです。データが海外に保存されることに不安を覚えるユーザーも多いと思いますが、Bitcasaならその心配はありません。また、国内のデータセンターに保存することで遅延を防ぎ、パフォーマンスを上げられます。