ここまでは、タブレットとしても使える斬新なWindows 8パソコンを紹介してきた。これ以外に、従来デザインのノートパソコンやデスクトップでも、液晶をタッチパネルに変更したモデルが続々と発売される。

 タッチパネル液晶を搭載したパソコンは、ほとんどが静電容量タイプを採用している。スマートフォンやiPadなどと同じ方式で、複数の指で同時に操作できる「マルチタッチ」に対応している仕様だ。各社の最新モデルを試してみたが、どれも反応は文句なし。やや個人差はあると思われるが、スマホに近い感覚で操作できると考えてよいだろう。

 ただし、タブレットと違って、液晶を立てたスタイルで使う従来のパソコンでは、長時間のタッチ操作は厳しい。腕を机に固定できず、手を上げた状態で使うことになるので疲れてしまう。基本的には、ちょっとメニューを開く程度の使い方にとどめるのが正解だ。

タッチパッドの大型化など各社それぞれ工夫を凝らす

 タッチパネル液晶の採用以外にも、各社それぞれ8を使いやすくするための工夫を凝らしている。

 最も多いのがノートパソコンのタッチパッドを大型化してマルチタッチに対応することで、8を快適に操作しようという工夫だ。

 例えば、タッチパッドの右端から中心部分に向かってなぞる(スワイプ)と、チャームが表示される。また、2本の指でつまんだり広げたり(ピンチイン/アウト)すると、画面の縮小・拡大ができる。こういった操作はタッチパネル液晶と同様で、多くのメーカーが対応している方式だ。

 さらにNECや富士通のノートパソコンのように、3本の指を使った操作を割り当てているモデルもある。このあたりの操作は、慣れると快適にこなせるだろう。購入に当たっては、メーカーごとの対応をチェックして、マルチタッチ操作が充実している製品を選びたい。

 Officeも次期版の2013が登場すれば、マルチタッチで操作しやすくなる。また、これから登場するアプリも、タッチ操作に向いたものが増えるだろう。今後はパソコン選びのポイントが変わってきそうだ。

 ここからは、タッチパネル液晶の搭載モデルとWindows 8に対応した操作性の工夫について、国内大手メーカー4社の傾向を解説する。特に、タッチパネル液晶をノート中心に採用するか、デスクトップ中心に採用するかの方針は、メーカーごとにまったく異なるのが興味深い。