安くて十分な性能のPCがいくらでも売られている今、PCを自作する意味はどこにあるのだろうか。自作PCの良さを再認識するため、アンケートを実施して読者に聞いた。

きっかけの第1位はパーツ構成の柔軟性、組み立て自体に興味を持った人も多数

 自作を始めた理由で最も多かったのは「好きなパーツを組み合わせたPCを作れるのが魅力だったから」。1990年代はメーカー製の高性能PCが30万~40万円もしたのに対し、自作すればその半額程度で同じ性能のPCが手に入った。ところが、PCはどんどん安くなり、日用品となってからは自作PCの価格メリットは無くなった。

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 それでも自作PCが魅力的なのは、ユーザーが使い方や好みに合ったパーツを組み合わせ、自分にぴったりの1台を組み上げられるからだ。「現在、PCを自作することのメリットは?」という質問に対しても、パーツ選択の自由度が高いことを挙げる人が7割を超えた。

パーツ選択の自由こそ最大の魅力、ニーズに合った構成で満足度アップ

 家電量販店などで販売されている大手メーカー製PCは、万人向けのハードウエア構成だ。CPUやストレージのバランスが良く機能が豊富。価格も手頃だ。ほとんどの人はそれで満足するだろうが、一方で、大量の録画データをためておきたい、3Dゲームを楽しみたい、動画を高速に編集したいといったニーズに応える製品はほとんど見当たらない。

 しかし、自作PCなら極限までスピードを追求したり、大量のストレージを内蔵したりと、“偏った性能”のPCを作るのもユーザーの自由だ。オーバークロック対応のCPUや高性能SSDなど、メーカー製PCが採用していないパーツを使えるのも自作ユーザーの特権。“つるし”には無いオーダーメイドの気持ち良さ。それがPCを自作する最大のメリットだ。

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 パーツを選んだり買ったりすること自体を楽しんでいる人も半数を超える。自作市場向けには水冷システムや光る冷却ファン、大型アルミケースなど、メーカー製PCには無いユニークなパーツがたくさんある。あれこれ組み合わせて“脳内自作”をする楽しみは、自作ユーザー以外には味わえない。

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 日経WinPC6月号では、パーツの基礎知識から組み立て方まで、自作に必要な知識を詰め込んだ総力特集「楽しさ新発見!PC自作のすべて」を掲載しています。この特集では上記以外にも自作を楽しんでいる読者の声を多数紹介しています。自作に興味を持ったら、ぜひ書店で手にとって眺めてみてください。これ一冊で、自作に必要な知識が全て詰まっています。

 さらに、PCケースを徹底的に評価した特集「最新PCケース25」も見逃せません。ATXからMini-ITX、格安モデルまで、あなたにぴったりのケースが必ず見つかります。これ以外に、起動ドライブの交換では不可欠な「ドライブ移行ソフトを徹底検証」、内蔵HDDを手軽に外付けにできる「クレードル型HDDアダプターを使おう」、「最新ハードで高速動画エンコード」、「停電からPCを守るUPS選びのポイント」など、自作PCライフに役立つ情報が盛りだくさんです。

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