2008年末からのネットブックブームが一段落し、2009年後半から徐々に増えてきたノートPCが「CULVノート」。ネットブックよりもやや高めの6万~10万円程度で販売される比較的小型のノートPCで、CPUにIntelの超低電圧版CPU(ULV)の安価なモデルを搭載していることからこう呼ばれる。

 新たな「格安」ノートPCとして市場に受け入れられつつあるCULVノートだが、Celeron 743やCeleron SU2300といった見慣れない型番のCPUが使われていることもあって、その性能が分かりにくい。そこでモバイルノートPCに使われる主なCPUの仕様を表にまとめた(下)。

ノート用CPUは名称だけではどちらが高速なのか判断しづらい。どちらも同じアーキテクチャーのCPUだが、Celeron 743はシングルコアでCeleron SU2300はデュアルコアとなる。
ノート用CPUは名称だけではどちらが高速なのか判断しづらい。どちらも同じアーキテクチャーのCPUだが、Celeron 743はシングルコアでCeleron SU2300はデュアルコアとなる。
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 Celeron 743やCeleron SU2300は、現行のノートPCで幅広く使われているCore 2 Duoと同じ「Penryn」の開発コード名で呼ばれていた製造プロセス45nmのCPU。対応チップセットもIntel GS45/GS40と15型の売れ筋ノートPCと同じ。ただし動作周波数は低く抑えられていて、Core 2 Duoといった上位CPUとの差異化が図られている。注意したいのは、Celeron 743はシングルコアCPUで、Celeron SU2300はデュアルコアCPUであることだ。

ベンチマーク結果ではCeleron SU2300がお買い得に

 CULVノートに搭載されているCPUの実力を測るべく、「Sandra 2009」(SiSoftware) と「PCMark05」(Futuremark)を使って、ベンチマークテストを行った。メーカー製PCなので、初期セットアップを終わった段階で測定している。参考として多くのノートPCで採用されている、Core 2 Duo SP9300(2.26GHz、FSB1066MHz、2次キャッシュ6MB)のデータも掲載している。

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 Sandra 2009によるテストの結果だが、予想通りCeleron 743とCeleron SU2300の間にはっきりとした性能差が表れた。この結果はシングルコアCPUとデュアルコアCPUの差と言い換えてもいいだろう。それでもCeleron 743はAtom N280より性能が高く、ネットブックよりCULVノートが快適に使えることは間違いなさそうだ。

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 逆にCeleron SU2300とCore 2 Duo SU9400の差は思ったよりも小さい。Core 2 Duo SU9400がより上位モデルで搭載されることを考えると、Celeron SU2300の「お得さ」が目立つ。PCMark05の結果もSandra 2009とほぼ同様の傾向となった。

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