ネットブックが日本で初めて登場したのは2008年1月。当初は記録媒体の容量が4ギガバイトしかないうえに[注1]、キーボードや液晶画面が小さく、とてもまともに使えるものではなかった。20万円前後の高級モバイルノートとは明らかな差があった。

 それから1年以上が経過し、状況は一変している。小型化や長時間駆動では、高級モバイルノートに見劣りしない製品も登場した。まず最初に、2009年4月以降に登場した夏モデルの特徴を詳しく見ていこう。

駆動時間が大幅に伸びて
5時間以上は当たり前に

 夏モデルのネットブックで目立つ改良点は「デザイン」と「バッテリー駆動時間」だ。

 デザイン面では、カバンに収まりやすいように本体を薄くした製品が増えた(図1)。厚さが30ミリを切り、高級モバイル並みに薄い製品も多数登場している。製品によってはカラーバリエーションを増やすなど、ユーザーの好みにきめ細かく対応するようになった。

図1 これまで、厚さ30ミリを切るような薄型の製品は6万円以上していた。夏モデルでは、4万~5万円台で購入できる薄型モデルが急増。ますます持ち運びやすくなっている
図1 これまで、厚さ30ミリを切るような薄型の製品は6万円以上していた。夏モデルでは、4万~5万円台で購入できる薄型モデルが急増。ますます持ち運びやすくなっている

 バッテリー駆動時間も少しずつ伸びている。従来は3時間以下の機種ばかりだったが、バッテリー容量の増加や省電力技術の進歩で、5時間を超える機種が続々と登場。高級モバイル並みの9時間駆動を実現した機種もある(図2)。

図2 夏モデルでは、1~2割ほどバッテリー駆動時間が延びた機種が多い。バッテリーの容量を増やしたり、独自の電力制御ソフトをインストールするなど、各社工夫して駆動時間を延ばしている
図2 夏モデルでは、1~2割ほどバッテリー駆動時間が延びた機種が多い。バッテリーの容量を増やしたり、独自の電力制御ソフトをインストールするなど、各社工夫して駆動時間を延ばしている
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 もう1つ、32ギガバイトのSSDを搭載したモデルが登場した点にも注目したい。SSDにはHDDよりも高速で省電力というメリットがあるが、これまで容量が16ギガしかなく、かなり不便だった[注2]。容量が倍増したことで選択肢に入ってくる(図3)。

図3 ハードディスクより高速で消費電力も少ない「SSD」。これまで容量が16GBと小さいのが欠点だったが、夏モデルでは32GBの製品「HP Mini 1000(SSD32GBモデル)」が登場。今後はもっと増えそうだ
図3 ハードディスクより高速で消費電力も少ない「SSD」。これまで容量が16GBと小さいのが欠点だったが、夏モデルでは32GBの製品「HP Mini 1000(SSD32GBモデル)」が登場。今後はもっと増えそうだ

[注1] 「Eee PC 4G-X」は4GBのSSDを搭載していた

[注2] Windows XPを搭載した製品の場合。Windows Vista搭載機では80GBのSSDを搭載したネットブックも登場している