作者 ひよひよ
ソフト名 CrystalDiskInfo
(フリーソフト)
http://crystalmark.info/software/CrystalDiskInfo/

 ハードディスクは大切なデータを保管しておく重要な存在。CPUやメモリーと違って、故障したら交換するだけでOKというわけにはいかない。ハードディスクが壊れれば、バックアップがない限り、文書やメール、アドレス帳なども永久に失われてしまう。

 大切なデータを失わないために、ハードディスクの“健康状態”を定期的にチェックすることをお勧めする。そうすることで、故障の予兆を早期に発見できるからだ。壊れる前にデータを丸ごと退避させ、いち早く新しいハードディスクと交換することで、故障によるトラブルを未然に防げる。

 今回紹介する「CrystalDiskInfo」は、ハードディスクの健康状態を診断するソフトだ。大多数のハードディスクには、「S.M.A.R.T.」(self-monitoring analysis and reporting technology)という自己診断機能が備わっている。電源の投入回数、通算の使用時間、回復が不能なセクターの数、エラーが発生した回数などの項目を計測し、数値を記憶しているのだ。ネットブックで採用が進むSSDも、S.M.A.R.T.に対応しているのが一般的だ。

 このソフトは、S.M.A.R.T.の情報を読み取ることで、ハードディスクの状態を総合的に判断する。同種のソフトには、内蔵ハードディスクだけを診断の対象にしているものが少なくない。しかし、こちらは外付けハードディスクも診断対象に指定できる(図1)。なお、S.M.A.R.T.は非常に多くの情報を管理しており、項目の詳細は「ヘルプ」メニューで確認してほしい。

【内蔵も外付けも調べられる】
図1 最新版は2.1.0a(2月13日時点)。内蔵ハードディスクはもちろん、外付けハードディスクもチェック可能。対応機種はWebページで確認できる
図1 最新版は2.1.0a(2月13日時点)。内蔵ハードディスクはもちろん、外付けハードディスクもチェック可能。対応機種はWebページで確認できる

 このソフトのポイントは、健康情報を分かりやすく示してくれること。診断項目のそれぞれを「正常」「注意」「異常」の3段階で判断しており、正常は青、注意は黄、異常は赤で示す(図2)。温度もハードディスクの寿命を左右する重要な診断項目であり、50℃未満なら青、50℃以上なら黄、55℃以上だと赤となる。要は、青なら基本的にはOK。黄や赤で表示されたら要注意というわけだ。

図2 左上に、接続済みハードディスクがアイコンで表示される。クリックすると、調査対象を切り替えられる。その下の「健康状態」と「温度」がS.M.A.R.T.による診断結果。青ならばおおむね良好。詳しいS.M.A.R.T.情報は、画面下に表示される
図2 左上に、接続済みハードディスクがアイコンで表示される。クリックすると、調査対象を切り替えられる。その下の「健康状態」と「温度」がS.M.A.R.T.による診断結果。青ならばおおむね良好。詳しいS.M.A.R.T.情報は、画面下に表示される
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 パソコンが起動するたびに自動的に起動するといった設定や、タスクトレイに常駐させる設定も可能。日ごろ定期的にチェックするようにしておきたい場合に便利だ(図3)。

【タスクトレイに常駐させることも】
図3 Windowsが起動するたびに診断させたり、常駐させてタスクトレイ上に情報を表示させたりもできる。常駐時は赤丸のアイコンをクリックすると、健康状態と温度が分かる
図3 Windowsが起動するたびに診断させたり、常駐させてタスクトレイ上に情報を表示させたりもできる。常駐時は赤丸のアイコンをクリックすると、健康状態と温度が分かる