前回はのぼりのデザイン、印刷設定、用紙の送り方やカット方法と、ほつれ防止のためのヒートカットの準備段階までを紹介した。今回はいよいよ最終仕上げと設置について手順を追って説明していく。まずはおさらいとして前の回を再読しておいてほしい。

のぼりの仕上げ作業~実践編

 今回はヒートカットの手順から説明する。ヒートカッターは手前から向こう側に移動させるのが基本だ。

<b>写真1</b> 手前から向こうに、均等な力でカッターを動かす
写真1 手前から向こうに、均等な力でカッターを動かす
[画像のクリックで拡大表示]

 カッターが粘着性の付着物で切れにくくなったら、スタンドクリーナーのスポンジ部分にカッターの刃をこすりつけて付着物を取り除こう。カットすべき部分をすべてカットし終わったら、すぐにコントローラーをコンセントから外し、冷えるまで危険のない場所に置いておく。スタンドクリーナーにもカッターを置けるくぼみがあるが、赤い塗料が溶けるので、カッター自体に付いているスタンドを使う方が安全だ。コードがねじれていると倒れることがあるので、コードはまっすぐにして安定した状態を確保しよう。

 今度は裏紙をはがす作業だ。ここでもちょっとしたコツが必要だ。まずは不要な方(余白部分)のクロスを先にはがしておく。そしてのぼりの短辺の方を幅5~10cm程度はがす。なるべくクロスが歪まないように注意する。そしてはがした部分を強度のある筒のようなものに巻き付けていきながら、均等にはがしていく。均等にはがさないとデザインが歪んでしまう場合があるので気を付けよう。強度のある筒のようなものとは、サランラップを巻いてある芯を長くしたもの、というのが一番イメージに近い。もし、大判プリンター用の用紙で使い切ったものがあれば、その紙芯を利用するのが理想的だ。

 私はまだ使い切った用紙がなかったので、これまで失敗した長尺の印刷物を固く巻いてセロテープで留め、それを代用品とした。

<b>写真2</b> 裏紙を足で押さえながら均等にはがして芯棒に巻きつけていく
写真2 裏紙を足で押さえながら均等にはがして芯棒に巻きつけていく
[画像のクリックで拡大表示]