ポメラは、メモ専用に作られた"ワープロ"です。キーボードは折りたたみ式。折りたたむと文庫本サイズになります。重さも370グラムと軽量です。電源ボタンを押せば2秒で起動し、すぐ入力できます。小さく軽いため、膝の上に置いて打てます。思い付いたことを、ストレスなく記録できるのは快適。日本語入力ソフトに、根強いファンが多いジャストシステムのATOKを採用していることも、入力へのこだわりを感じます。

 キーの幅は約17ミリと、小型のノートパソコン並みで、入力に十分な大きさです。ディスプレイは反射型液晶。小さく感じますが、画面は大変見やすくなっています。さらに「Alt」キーを押しながら「K」キーを押すことで、文字を三段階で大きくできるので問題ありません(写真は一番小さな文字)。消費電力の低い液晶を採用することなどにより、単四アルカリ乾電池2本で20時間という動作時間を実現しています。

 文具メーカーらしい配慮もあります。まず、電源ボタンは、少し触れたくらいではオン/オフができないようになっています。誤って電源を入れてしまって肝心なときに電池切れということはありません。また、フタを閉じれば自動的に電源が切れるなど、使い勝手は良好です。

 入力した文字情報はパソコンで扱える「テキスト形式」で保存されます。付属のケーブルでパソコンと接続すれば、USBメモリーのようにリムーバブルディスクとして認識されるので、入力したメモをパソコンに転送するのも簡単です。なお、一つのファイルに入力できるのは8000字まで。個人的には、もう少したくさん入力できるとうれしいのですが、ファイルを分けることで、解決できます。

 最近は「ネットブック」といわれる重さ1キロ程度の5万円ノートも登場しています。ただ、これは一リットルの牛乳パック以上です。一部にバッテリーが数時間持つものはありますが、「すぐ起動し、電池も持ち、しかも軽い」という製品はありません。

 いつでもどこでも、バッテリーの残量を気にしないでアイデアや日記などを記録したい―そんな人にとって、ポメラはまぎれもなくスグレモノでしょう。