料理をする様子を撮影・公開する“料理動画”が、動画投稿サイトなどで人気を集めている。国内でも代表的な料理動画の制作者が、2013年12月18日、動画制作のワークショップを開催した。料理動画の制作に関心を持つ参加者に、動画撮影などのコツを伝授した。

 ワークショップを開催したのは、YouTubeに動画チャンネル「妄想グルメ」を開設する伊藤元亮氏。全世界の21万人が同チャンネルをお気に入りに登録するなど、国内外で人気のチャンネルだ。

 伊藤氏は、文章を書くのが得意ではないためブログが続かなかったこと、「自分のできることをできる範囲でやろう」と考えた結果、動画にたどり着いたことなどを紹介。ただ撮影するだけでコンテンツが作成できる、調理の際の音を入れられるなど写真より表現力が高い、などの動画の魅力に触れながら、気軽に動画投稿を始めてほしいと参加者に呼びかけた。

 さらに、これまでに注目を浴びた動画の例を紹介。その一つが、「バナナの切り方」。まな板の上に置かれたバナナをナイフで切るだけの1秒の動画だが、12万回も再生された。再生回数が500万回にのぼったのが、「風船チョコレートお椀」。水風船を使ってチョコレートのお椀を作る方法を紹介したところ、全世界のユーザーから注目を浴びたという。

 こうした人気動画は「狙って作れるものではない」(伊藤氏)としつつ、最初の15秒で視聴者の興味を引き付けることが大事、などのコツも披露した。

 ワークショップには、グーグル日本法人のYouTube担当 武内啓恵氏も登場。YouTubeから収益の分配を受けられる「パートナープログラム」で10万ドル以上の収入を得ている人が世界で数千人に上ること、国内でもYouTubeの収益だけで生活している人がいることなどを紹介した。

 国内最大級の料理ブログのポータルサイト「レシピブログ」の久永千恵氏氏も、料理動画の投稿が増えている現状を報告した。