「(みずほ銀行とみずほコーポレート銀行の)ワンバンク化のためのシステム統合は完了した。今後は、みずほ銀行とみずほ信託銀行のシステムを統合した、次期勘定系システムの開発にリソースを集中する」――。みずほ銀行の佐藤康博頭取(写真)は2013年7月1日、東京都内の本店で記者会見を行い、次期システム開発への意気込みなどを語った。

 みずほフィナンシャルグループ(FG)傘下のみずほ銀行とみずほコーポレート銀行は同日付で合併し、新しいみずほ銀行が誕生した。これに伴い両行は、6月29日からの2日間、ATMなどオンラインサービスを休止し、両行の既存システムをリレーコンピュータで接続する方式のシステム統合を行った。「2002年、2011年のシステム障害という2回の苦い経験を踏まえて、今回のシステム統合では、あらゆるケースを想定してテストを行うなど万全を期した」(佐藤頭取)こともあり、無事7月1日の統合を乗り切った。

 みずほ銀行の今後の課題は、旧みずほ銀行、旧みずほコーポレート銀行、そしてみずほ信託銀行の三つの勘定系システムを統合し、新しいシステムとして作り直す次期勘定系システムの開発である。既に開発作業はスタートしており、「次期システムのベースとなる基盤システムの開発は完了した。今後は基盤システムの上に、外為、融資、為替といったアプリケーションを、2016年3月をメドに開発する」(佐藤頭取)予定である。次期システムの開発費用は「2500億円から3000億円」(同)の範囲になる見込みだ。

 これまでは、旧みずほ銀行と旧みずほコーポレート銀行のワンバンク化と、次期システムの開発を並行して進めていた。今後はワンバンク化に費やしていた人的リソースも、次期システムの開発に投入する。佐藤頭取は、「ワンバンク化のシステム統合が成功することで、(次期システム開発という)次のステップに進む力が高まった」と述べた。