NPO法人のパソコン整備士協会は2012年6月27日、仮想化技術の習得を目的とした資格試験「仮想化基礎」検定を開始すると発表した。7月2日から申し込みを受け付け、8月1日から試験をスタートする。受験料は1万2600円。企業や団体、学校が一括で申し込むと受験料を割り引く。

 同検定は、仮想化を実現する製品・サービスの基礎技術やアーキテクチャー(設計思想)などを習得し、ベンダーが提供する製品・サービスの機能を理解したり選定したりするスキルや知識を身に付けるためのもの。大学や専門学校でITを学んだ人やITエンジニアとして業務経験のある人に加え、これから仮想化技術の習得を目指す人や仮想化製品の販売に携わる人などを対象としている。仮想化関連の資格試験は、仮想化製品ベンダーなども提供しているが、本検定は特定の製品に偏らない内容となっている。

 昨今、大手ユーザー企業を中心に「プライベートクラウド」や「パブリッククラウド」といった仮想化技術の活用が進んでいる。専任の情報システム部員がいない中堅・中小企業も、仮想化技術を活用すればシステム管理コストの削減やメンテナンス作業の軽減が見込めるが、仮想化技術を理解している人材が限られることが導入の障壁となっていた。

 試験は、全国47都道府県にある100カ所以上の試験会場で、コンピューターを使うCBT(Computer Based Testing)方式で行う。試験日は会場によって異なるが、週に1~2回開催しているケースが多く受験者が好きな日時を選べる。検定試験に向けて勉強するためのテキスト教材(3500円)も用意した。

 パソコン整備士協会は、メーカーやベンダーにとらわれないコンピューターやネットワーク、セキュリティに関する技術資格「パソコン整備士資格検定試験(3級~1級)」を2002年から実施しており、約4万人が受験している。