PCパーツショップのPC DIY SHOP FreeTは2012年6月7日、放熱性を高めるように加工したCore i5-3570Kを発売する。自作PCユーザーの間で「殻割り」と呼ばれる状態にしたCPUで、CPUに付着している放熱板(ヒートスプレッダー)を剥がして熱伝導材を挟み、再び放熱板を取り付けてある。価格は2万2800円。

 Intelが4月29日に発売した、開発コード名「Ivy Bridge」こと第3世代のCore iシリーズは、従来のCore iシリーズ(開発コード名はSandy Bridge)よりも、動作時の温度が高いと自作PCユーザーの間で話題になっている。動作時の温度を下げたり、オーバークロックの限界を高めたりするには、ヒートスプレッダーを外して、CPUのダイ(半導体本体)を収めてある部分とヒートスプレッダーとの間のグリスを塗り直すのがよいとされている。しかし、ヒートスプレッダーは密着しており、不用意に剥がすとCPUを破損する恐れがある。

 PC DIY SHOP FreeTが売り出すCPUは、ヒートスプレッダーとCPUパッケージ上のダイ収納部との間に熱伝導シート「黒鉛垂直配向熱伝導シート Vertical-Graphite Pro」(ワイドワーク)を挟んである。ヒートスプレッダーとCPUパッケージは両面テープで固定している。ASRockのマザーボード「Z77 Pro4」で、CPU付属のクーラーを装着してCPU温度を測定したところ「最も良い個体で、アイドル時は29℃、負荷時は68℃。4.8GHzまでオーバークロックしたときは99℃になった」(PC DIY SHOP FreeT)。負荷を与えるソフト「OCCT」を実行したときの数値だが、CPUクーラーを市販品に交換すればさらに温度は下がる見込みという。

 当初、加工品は3個用意する。いずれも加工後に一定時間連続で動かしてチェックしているという。CPUパッケージに手を加えているので、CPUメーカーの保証は切れる。初期不良があれば、1週間以内なら対応する。「他のモデルや、熱伝導シート無しなど、要望があれば対応したい」(FreeT)という。