AMDは2012年2月15日、ミドルクラスの新グラフィックスチップ「Radeon HD 7770 GHz Edition」「Radeon HD 7750」を発表した。発売済みのRadeon HD 7900シリーズと同じ、「Graphics Core Next(GCN)」と呼ぶ新設計を採用。製造プロセスは28nmで、DirectX 11に対応する。日経WinPC編集部はRadeon HD 7770 GHz EditionとRadeon HD 7750のレファレンスボードを入手、性能と消費電力を検証した。
Radeon HD 7770 GHz EditionとRadeon HD 7750は、2011年末から2012年2月にかけて発表、発売されたRadeon HD 7900シリーズの下位モデル。「Cape Verde」という開発コード名で呼ばれていた。AMDが7900シリーズで初めて導入した、新アーキテクチャーのGCNを採用している。7700シリーズは7900シリーズのすぐ下の位置付けでは無く、AMDはこれらの間にもう1つの製品群を予定している。開発コード名「Pitcairn」で、間もなく正式発表になる見込みだ。
Radeon HD 7700シリーズは7900シリーズの特徴を引き継いでいる。PCとの接続はPCI Express 3.0にも対応、多画面出力技術「Eyefinity 2.0」、立体視出力の「HD3D」、電力制御の「PowerTune」、省電力技術「ZeroCore Power」、動画支援の「Video Codec Engine(VCE)」、映像を手ぶれ補正する「Steady Video 2.0」などだ。
Radeon HD 7770 GHz Editionと7750の主な違いはシェーダーである「Stream Processor」の数と、コアの動作周波数。AMDはRadeon HD 7770のコアは640個のStream Processorを備えており1GHzで動作する。7750は512個、800MHz動作だ。AMDは、コアが1GHzで動作することを「世界で初めて」として積極的にアピールしている。7770の名称にわざわざ「GHz Edition」と付けているのはそのためだ。
HD 7970 | HD 7950 | HD 7770 GHz Edition | HD 7750 | |
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製造プロセス | 28nm | 28nm | 28nm | 28nm |
トランジスター数 | 43億1000万 | 43億1000万 | 15億 | 15億 |
コア動作周波数 | 925MHz以上 | 800MHz以上 | 1GHz | 800MHz |
Stream Processor | 2048個 | 1792個 | 640個 | 512個 |
演算性能(TFLOPS) | 3.79 | 2.87 | 1.28 | 0.819 |
テクスチャーユニット | 128個 | 112個 | 40個 | 32個 |
テクスチャーフィルレート (GT/秒) | 118.4 | 89.6 | 40 | 25.6 |
ROP | 32個 | 32個 | 16個 | 16個 |
ピクセルフィルレート (GP/秒) | 29.6 | 25.6 | 16 | 12.8 |
Z/ステンシル | 128個 | 128個 | 64個 | 64個 |
メモリー容量 | GDDR5 3GB | GDDR5 3GB | GDDR5 1GB | GDDR5 1GB |
メモリー動作周波数 | 1.375GHz | 1.250GHz | 1.125GHz | 1.125GHz |
メモリー転送レート | 5.5Gbps | 5Gbps | 4.5Gbps | 4.5Gbps |
メモリー転送速度 (GB/秒) | 264 | 240 | 72 | 72 |
搭載ボードの消費電力 | 最大250W | 最大200W | 80W*1 | 55W*1 |