2011年4月28日、スマートフォンの総合イベント「スマートフォン2011春」で、携帯アプリの開発などを手がけるテックファームの矢吹 通康氏が登壇。スマートフォンにおける待ち受け画面ビジネスの展望を語った。

 冒頭で矢吹氏は、スマートフォン市場について言及。携帯電話の販売台数は2007年度をピークに頭打ちなのに対し、スマートフォンの販売台数は右肩上がりを続けていると述べた。

 そのうえで、モバイル向けコンテンツ市場について触れ、今後は携帯電話で一般的な待ち受け画面のコンテンツが、スマートフォンでも普及すると予想した。矢吹氏が示した総務省の統計によると、2009年度の待ち受け画面サービスの市場規模は226億円。売り上げの大半は携帯電話の利用者によるもの。矢吹氏は、将来的に携帯電話の利用者がスマートフォンに移行することで、そこに新たな需要が生まれると見込む。

 矢吹氏が特に注目しているのが、Android搭載スマートフォンだ。「Androidは、iPhoneのような技術的制約が少ない。待ち受け画面上に情報をプッシュ配信することも可能だ。広告ビジネスと融合させるチャンスもある」と期待感を表した。

 一方で「Androidには、課金プラットフォームの土壌が整っておらず、月にいくらなどのサブスクリプションがない。また著作権保護の仕組みが弱いので、コンテンツの保護がしづらい」(矢吹氏)。Androidプラットフォームの整備が遅れている点を指摘した。