セイコーエプソンは2011年4月28日、2011年3月期連結決算を発表した。2010年度通期の決算としては、売上高は前期比1.2%のマイナスとなる9736億円。営業利益は前期実績比79.5%増の327億円、前期197億円のマイナスだった当期純利益は、102億円の黒字だった。2011年度の業績予想としては、売上高9700億円で、前年比0.4%のマイナスと、ほぼ前年並みを見込んでいる。

 2010年度上期はビジネス向け需要が回復し、デバイス需要が好調であったこと、原価改善の効果があったことなどから、円高の為替影響を受けつつも損益を改善した。下期は引き続き円高や一部では震災の影響を受けたが、新製品の市場投入や事業体質の強化、構造改革の一環として中・小型液晶ディスプレイ事業をソニーに譲渡したことなどで、利益を創出したという。

 2011年度の業績予想は、前年比0.4%減の売上高9700億円としている。営業利益は430億円で31.5%増、当期純利益としては66.0%増の170億円を見込む。営業利益の事業セグメント別実績予想としては、デバイス精密機器セグメントで前年同期比101億円減の20億円、情報関連機器セグメントで前年同期比208億円増の910億円。ほかに、2010年度実績でマイナス35億円あったその他のセグメントは、前年同期比25億円増のマイナス10億円になるとみている。

 東日本大震災による特別損失としては、連結で47億5500万円を計上した。また、中・小型液晶ディスプレイ事業を終結させたことに伴う費用として、連結で45億6600万円を特別損失として計上した。これらの特別損失は、3月期決算に反映されている。