東芝は2011年4月20日、パソコン事業と液晶テレビなどの映像事業を統合した「デジタルプロダクツ&サービス社」の新設に合わせ、両者の技術を融合させた製品とサービスを発表した。

 PC関連で発表したのは、3D表示が可能なノートPC「dynabook QosmioT851/D8C」と、タブレット型のアンドロイド端末「REGZA Tablet AT300」、電子書籍ストア「ブックプレイス(Book Place)」など。

 dynabook QosmioT851/D8Cは専用のメガネを使わずに3D映像の視聴が可能なノートPC。発売は7月下旬。実質価格は23万円前後。

 3D映像を表示するためには、視聴者の左右の目に異なる映像を届ける必要がある。そこでWebカメラで視聴者の顔の位置を捉え、その場で見える最適な映像を表示する「Face Tracking機能」を新たに加えた。

 3D表示が可能な映像は、市販の「Blu-ray 3D」規格のタイトルやBS/CSなどの3D放送、通常のDVDタイトルやテレビ放送も3Dに変換できる。3D映像をウインドウ表示できるので、メールやネットの操作をしながらでも3D映像を楽しめる。

 CPUはCore i5-2410M(2.3GHz)、メモリーは8GB、HDDは750GB、光学ドライブはBDXL対応のブルーレイドライブ、液晶は15.6型ワイド液晶を搭載。無線LANはIEEE 802.11 a/b/g/n、地上デジタル/BS/CSの3波対応のTVチューナーを2つ備える。

 REGZA Tablet AT300は高画質と高音質、使いやすさを追求したタブレット端末。発売は6月下旬。実勢価格は約6万円。10.1型ワイド液晶を備え、CPUは米エヌビディアのTegra 2を搭載。前面、背面にカメラを備え、重量は765g前後になる見通し。

 液晶テレビのレグザから高画質化機能を継承して、映像のコントラストや鮮やかさを補正する機能を搭載。画面の明るさは環境に応じて自動調整する。音声では、スピーカーの特性に合わせて音質を調整する「Toshiba Audio Enhancement」、周囲の雑音に合わせて、埋もれてしまった音を補正して聴きやすくする「Noise Equalizer」などを備える。

 電子書籍ストア「ブックプレイス(Book Place)」はREGZA Tabletのほか、パソコンやスマートフォンからも利用できる。4月20日より営業を開始し、コミック、文芸書など2万冊以上の書籍をそろえた。今年度末までには10万冊になる見込み。

 ブックプレイスには専用の閲覧ソフト「ブックプレイスリーダー」を使う。通常の閲覧のほか、同社独自の音声合成機能を搭載し、自然な音質での読み上げが可能とした。音声合成に対応する書籍はサービス開始の時点で6000冊を用意している。