2010年11月中旬に、日立グローバルストレージテクノロジーズ製の3TB HDDが発売になった。製品名は「Deskstar 7K3000」、型番は「HDS723030ALA640」だ。日経WinPCはこの製品を入手。読み書き性能を検証した。
HDS723030ALA640のディスク回転数は7200回転／分。先行したWestern Digitalの3TBモデルは、省電力を売りにした「WD Caviar Green」ブランドの製品で、回転数を公開していない。ただ、5000回転台とみられており、7200回転／分と仕様で明記された内蔵用の3TBモデルが販売されたのはDeskstar 7K3000が初めてだ。キャッシュ容量は64MB、インターフェースはSerial ATA 6Gbps。このほか2TBのHDS723020BLA642、1.5TBのHDS723015BLA642がある。日立GSTは「Deskstar 5K3000」もラインアップしている。ただし、こちらの回転数は「Coolspin」として非公開。5K3000も、1.5T/2T/3TBの3モデルある。
3TBモデルの利用にいくつかの制限がある点は、WD Caviar Greenの3TBモデルと同じ。起動ドライブとしてサポートされているのはWindows Vista/7の64ビット版で、EFI（Extensible Firmware Interface）のBIOSを使っているシステム。Mac OS X 10.6以上やLinuxシステムでも使える。Windows Vista/7の32ビット版ではデータ用ドライブとして使えるだけだ。Windows XPの32ビット版は起動だけでなくデータ用ドライブとしてもサポートされない。
テスト環境はWD Caviar Greenの3TBモデルの検証と同じだ（ついに登場3TBのHDD、「WD Caviar Green WD30EZRSDTL」をテスト。テストに使用したソフトは「CrystalDiskMark 3.0」（ひよひよ氏作）と、ATTO Technologyの「ATTO Disk Benchmark」。CrystalDiskMark 3.0は「ランダム」の条件にした。データ量を50MB、100MB、1000MB、2000MBにしたときの値を以下に示す。
データ量が小さいと測定値が高めに出る傾向がある。通常、本誌では2000MBの測定結果でほかのドライブと比較している。Deskstar 7K3000の順次読み出しは151.0MB／秒、順次書き込みは149.8MB／秒。現行の7200回転／分のHDDは最大で154MB／秒程度だ。Deskstar 7K3000の順次読み書きは最速クラスといってよいだろう。
WD Caviar Greenの3TBモデルは順次読み出しが120.4MB／秒、書き込みが118.3MB／秒なので格段に速い。前モデルのDeskstar 7K2000（2TB、7200回転／分、HDS722020ALA330）と比べても速くなった。HDS722020ALA330は、順次読み出しが137.1MB／秒、順次書き込みが136.0MB／秒だった。
ランダムアクセスは512Kの読み出しが56.31MB／秒、書き込みが54.86MB／秒。HDS722020ALA330はそれぞれ49.68MB／秒、51.60MB／秒だったのでこちらも速くなっている。ちなみに、WD Caviar Greenの3TBモデルはそれぞれ40.18MB／秒、60.98MB／秒だ。
下はATTO Disk Benchmarkの結果だ。読み出しは最大で149M～151MB／秒、書き込みは147M～150MB／秒といったところだ。
Deskstar 7K3000の3TBモデルの価格は2万3000～2万4000円。WD Caviar Greenの3TBモデルとほとんど変わらないので、買うなら速いDeskstar 7K3000だろう。
