グーグルは2010年8月30日、動画共有サイト「YouTube」で米メジャーリーグ全試合の配信を始めると発表した。同サイト内の「MLB.JP」チャンネルで、日々の試合を終了から36時間以内にノーカットで公開する。視聴可能なのは、パソコンからのみ。スマートフォンやiPadなどでは視聴できない。

 動画の配信は、YouTubeがメジャーリーグ全球団のインターネット業務を請け負うMLBアドバンスト・メディアとパートナーシップを締結したことで実現したもの。2009年以降の試合についてはノーカットで配信するほか、各試合のハイライトシーンをまとめた動画や、1日の全試合の結果をまとめた速報動画なども配信する。選手名や球団などのキーワードで見たい動画を検索可能だ。

 今後は、過去のアーカイブ映像も順次公開する。例えば、1974年にハンク・アーロンがベーブ・ルースの通算本塁打記録を塗り替えた試合やランディ・ジョンソンによる完全試合などの歴史的映像、野茂英雄選手の初登板や松井秀喜選手がMVPを獲得したワールドシリーズといった日本人選手の活躍映像などを予定している。YouTubeコンテンツパートナーシップ統括部長の水野有平氏によると、「現時点での動画の本数は4000本程度だが、今後は数万本単位になるだろう」という。

 発表会には、メジャーリーグでプレーした経験を持つ元プロ野球選手で、現在は野球解説者の小宮山悟氏も出席。YouTubeでメジャーリーグの試合が配信されることについて、「解説者として、自分が行けない球場での結果を気軽にチェックできるのはありがたい。メジャーを目指す選手も参考にできるだろう」と述べた。また、子供たちなどの指導においても「良いとされる選手の何がいいのか、まずは見ることが大事。メジャーのプレーが見られることはプラスになる」とした。