日本でも今月下旬に発売されるアップルのタブレット型製品「iPad」。発売中の日経トレンディ4月号では、デジタル業界の専門家10人がiPadの実力や将来性をさまざまな角度から分析した特集「ホントに売れるか?iPad」を掲載している。この記事では、専門家の分析を取りまとめるなかで浮上した「iPadの本当の弱点」について、抜粋して紹介する。
アップルiPadの弱点は、重さとバッテリー、そして「画面が大きすぎる」こと……。
パソコン、ケータイ、電子書籍など各業界の専門家に「iPadの弱点だと感じるところは」と尋ねたところ、本体の重さとバッテリー駆動時間について、多くの回答が集まった。
これは、意外な反応だ。なぜならば、iPadの重さは680~730gで、バッテリー駆動時間は10時間。このスペックは、同じ画面サイズのネットブックやパソコンと同等か、それよりも優れているからだ。
例えば、ネットブック「dynabook UX」(東芝)の場合。標準的なモデル(実勢価格5万9800円)では重さ1.18kg、バッテリー駆動時間は約3.7時間だ。また軽量ノートとして有名な「VAIO X」(ソニー、実勢価格9万9500円)でも重さは765g、バッテリーは10時間。iPadの価格が499ドルからという価格を考えると、パソコンとしては十分以上の軽さ、バッテリー駆動時間に感じる。
だが「これでも、アマゾンのKindleに比べると、2倍の重さがあるのが弱点だ」。そう話すのは、米国・サンフランシスコでiPadを実際に使用したジャーナリストの西田宗千佳氏。
確かに、電子書籍リーダーのKindle(6型サイズの画面)の重さは、約290g。それに比べると、iPadのスペックはかなり重い。また「実際に持つと、女性向けのファッション雑誌と同じような重さ、ぶ厚さに感じる」(西田氏)。こうした重さでは、カフェや自宅のソファで読むのには良いが、電車の中で読むのには向かないのでは、と西田氏は語る。
一方、同じく米国でiPadを使用したジャーナリストの林信行氏は、「iPadは本体の端が薄くなるデザインが施されているため、持ってみると、最初考えていたよりも軽く感じた」と語る。この点については、製品発売後も賛否が分かれそうだ。