セキュリティ企業の米サンベルトソフトウエアは2010年1月27日、Webベースの「ボットネット」が増えていることを報告した。以前は、ボットネットの通信にはIRCを使うことがほとんどだったが、現在ではWebで使用するHTTPが主流になっているという。

 ボットネットとは、ウイルス(ボット)に感染したパソコンで構成されるネットワーク(グループ)。攻撃者は、中継サーバー(C&Cサーバー/コマンド・アンド・コントロール・サーバー)を経由して、ボットネットを構成するパソコンに命令を送信。パソコン内の情報を盗んだり、他のコンピューターへの攻撃や迷惑メールの踏み台に悪用したりする。

 従来、攻撃者と中継サーバー間、ボットネットと中継サーバー間の通信には、IRCと呼ばれるチャット用のプロトコルを使用するのが一般的だった。ところが最近では、HTTPを使うケースが増えているという。

 この根拠として同社では、米国のセキュリティグループ「チームカムリ(Team Cymru)」による観測データを引用。同グループでは、インターネットで稼働している中継サーバーを観測している。

 それによれば、HTTPを使う中継サーバーはここ半年で2倍に急増(図)。2009年7月には800件程度だったが、2009年12月末には1600件近くになっている。一方、従来方式のIRCベースの中継サーバーは400件程度を推移。大きな変化はない。

 チームカムリによれば、HTTPベースの中継サーバー/ボットネットが増えているのは、それらを構築するためのツールキットが入手しやすくなっているため。ツールの操作も簡単になっているという。