NTTドコモは、2009年5月12日から神奈川県横浜市で開催している無線技術の専門展示会「ワイヤレス・テクノロジー・パーク2009」に出展し、特殊なメガネを使わずに裸眼で立体映像が見られる技術を参考展示している。セイコーエプソンが2008年8月に発表した3次元(3D)対応液晶ディスプレイ(2.57型)を活用。これを試作機に搭載し、特徴を生かしたデモ映像を再生させている。

 特徴は、3Dの視野角が約25度近くあること。かまぼこ状のレンズが画素の表面に格子上に並んでおり、見る角度によって特定の画素が見えたり見えなかったりする。デモ映像は8方向分のデータを含んでおり、奥行き感のある映像内で立体の一部が見えたり見えなくなったりする様子が分かる。

 デモ映像は、泳ぐ金魚、地球の表面、回転する指輪の3つ。それぞれ、通常の3D映像と同じく、立体の一部が飛び出すように錯覚する映像だが、正面だけでなく視聴位置を変えても違う見え方を楽しめる。レンズの効果で、左目と右目でとらえる映像が変わるため、特殊メガネがなくても人間の目には立体映像として見える。

 加速度センサーを搭載した手のひらサイズの試作機も用意した。こちらでは、デモ用に開発したゲームコンテンツをデモンストレーション。試作機を両手で持ち上下左右に傾けながら、3次元空間の内部にあるボールを画面下の方向へころがしていくというものだ。

 展示ブースではそのほか、携帯電話のデータ通信機能を内蔵するデジタルフォトフレーム「想い出フレーム」や、携帯電話向けのサラウンド音声の伝送技術なども紹介している。想い出フレームは2008年に同社が実験用として一部ユーザーに貸し出したもの。携帯電話で撮影した写真をサーバーにアップロードすると、それが自動的にデジタルフォトフレームに届いて表示される。