米グーグルは2009年4月28日(米国時間)、同社の書籍検索サービス「Google ブック検索」の和解案に対して、著作権保有者が和解に同意するか否かを判断する期日を4カ月延長すると発表した。2009年5月5日までとしていた期日を、その約1週間前のギリギリになって2009年9月4日まで延長した。

 Google ブック検索は、グーグルがある一定のルールの下で書籍をスキャンし、一般ユーザーがそれらを検索できるようにしたもの。日本でも2007年夏にサービスを開始している。これに対して、著作権侵害という名目でアメリカの著作権協会などが米グーグルを訴え、2008年10月に和解に至った。本件は、集団訴訟という形式を取ったことと、ベルヌ条約という国際条約によって、日本の著作権保有者にも影響する。

 本和解から離脱したり、意義を申し立てたりする場合は、2009年5月5日までに申請をしなくてはいけないことになっていた。和解合意から離脱すれば、本件に関してグーグルを告発する権利を保持し続けられる一方で、Google ブック検索を通じて得られる売り上げの還元などの権利を享受することはできない。

 これに対し、日本文芸家協会が2009年4月15日に「何らかの措置を講じなければ今後も著作権侵害行為が公然と続けられる可能性が高い……(中略)……日本の著作権と出版各社を大混乱に巻き込んだ米グーグル社に対し、抗議する」と声明を発表するなど、関係者の混乱は続いていた。

 米グーグルは2009年4月27日(米国時間)に連邦裁判所に対し、本和解の“Xデー”とも言える5月5日に関して60日間の延期を申請。公式ブログで「本和解案件は、非常に詳細に渡るものである。すべての権利保有者に十分に考える時間があるべきだし、それらは権利保有者の権利でもある。そのため、裁判所に対し、期日の延期を求めた」とその理由を説明している。結果、連邦裁判所は4カ月の延期を認めることになった。これにより、連邦裁判所で行われる最終的な和解決定を判断する最終審理の日程も2009年6月11日から、2009年10月7日にずれこんだ。